#48 麦畑の誓い
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疾走する冷凍車の後部に張り付いた常守は、降り下ろされないよう荷台のドアノブをしっかりと掴みながら前方を伺った。
(槙島をこのまま逃がす訳にはいかない!)
車内には幸子もいる。
逃がしてしまえば今度こそ幸子は槙島の元から二度と戻らないだろう。
なんとかトラックの動きを止めなければ。一か八かやるしかない!
風圧に持っていかれそうになりながらも懸命にリボルバーを構えた手を伸ばす。狙いはタイヤだ。
(当たれ!)
願いながらトリガーを引いた。
バンと耳を塞ぎたくなるような音を立て発砲された銃弾は見事タイヤに直撃!
タイヤはバーストし、コントロールを失ったトラックは蛇行しながら麦畑へと突っ込む。
そして横倒しになったままズズズ…と地鳴りのような音を立て麦畑を滑った後、車はようやく停止した。
煙を上げるトラックの側には投げ出され全身を強く打った常守が倒れていた。
「うう……」
朦朧とする意識。このままでは確実に気絶してしまう。
いけないと思い、痛みを堪えて顔を上げた常守の視界に、横倒しになったトラックから脱出する槙島の姿がぼんやりと映った。
腕には幸子が抱かれている。
小さく呻き声をあげている所を見ると、幸子の意識は覚醒しつつあるようだ。
「(よか……っ、た……幸子さ、ん…)……ぐっ!」
安堵したのも束の間、頭に鈍器で殴られたような衝撃が走り、常守の体は再び地面に沈んだ。
幸子を傍に降ろした槙島が、冷めた瞳で常守を見下ろしながら ギリギリと常守の頭を践みつけたのだ。
「いい加減……僕達を侮辱するのはやめてほしい」
槙島の言葉は静かであったが激しい怒りに満ちていた。屈辱にありながらもキッと睨み付けてくる常守の態度がやけに気に障る。
「大人しくしてもらおう」
振り上げられた足が再び常守を目掛けて一気に下ろされた。
(槙島をこのまま逃がす訳にはいかない!)
車内には幸子もいる。
逃がしてしまえば今度こそ幸子は槙島の元から二度と戻らないだろう。
なんとかトラックの動きを止めなければ。一か八かやるしかない!
風圧に持っていかれそうになりながらも懸命にリボルバーを構えた手を伸ばす。狙いはタイヤだ。
(当たれ!)
願いながらトリガーを引いた。
バンと耳を塞ぎたくなるような音を立て発砲された銃弾は見事タイヤに直撃!
タイヤはバーストし、コントロールを失ったトラックは蛇行しながら麦畑へと突っ込む。
そして横倒しになったままズズズ…と地鳴りのような音を立て麦畑を滑った後、車はようやく停止した。
煙を上げるトラックの側には投げ出され全身を強く打った常守が倒れていた。
「うう……」
朦朧とする意識。このままでは確実に気絶してしまう。
いけないと思い、痛みを堪えて顔を上げた常守の視界に、横倒しになったトラックから脱出する槙島の姿がぼんやりと映った。
腕には幸子が抱かれている。
小さく呻き声をあげている所を見ると、幸子の意識は覚醒しつつあるようだ。
「(よか……っ、た……幸子さ、ん…)……ぐっ!」
安堵したのも束の間、頭に鈍器で殴られたような衝撃が走り、常守の体は再び地面に沈んだ。
幸子を傍に降ろした槙島が、冷めた瞳で常守を見下ろしながら ギリギリと常守の頭を践みつけたのだ。
「いい加減……僕達を侮辱するのはやめてほしい」
槙島の言葉は静かであったが激しい怒りに満ちていた。屈辱にありながらもキッと睨み付けてくる常守の態度がやけに気に障る。
「大人しくしてもらおう」
振り上げられた足が再び常守を目掛けて一気に下ろされた。