#47 それぞれの正義
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行方を眩ました槙島を追跡中。
「そういえば……おかしな事を言っていたな」
「?」
周囲の警戒を怠らずに常守は視線だけで狡噛を振り返った。彼の言わんとしている事がピンとこない。
「幸子の待機についてだ。禾生局長の命令は命令なんかじゃない、と」
「あっ………はい。確かに言いました」
一瞬バツが悪そうな顔をした常守だったが、その事実を隠さずに認めた。
「どういう意味だ?局長は幸子を、命令以外の何かで縛っているのか?」
「……」
常守は応えなかった。
代わりに先程見せた、少し悲しげな笑みを覗かせる。
「狡噛さん、ひとつ…約束して下さい」
「なんだ?」
「槙島を捕らえたら……その後は、幸子さんと幸せになる事だけを考えるって」
常守とは幸子を巡り、縢曰く『姉を巡る姉の恋人と妹の対決』を繰り広げてきた。
ここにきてようやく『妹』との和解が成立したといった所か。
こんな事態にあるのに、狡噛はふとそんな事を考えてしまい苦笑した。
「驚いたな。あんたの口から俺達の関係を肯定する言葉が聞ける日が来るとは」
「…っ、茶化さないで下さい」
「すまない。だが…心配無用だ。言われるまでもなくそのつもりさ」
「良かった…」
安堵する常守の様子を見ていると、ある考えが浮かんでくる。
「幸子が局長と何を取引しているか知ってるのか?」
僅かに常守の瞳が揺れた気がした。
「詳しい事は知りません。でも取引のキーパーソンは狡噛さんだと思います」
「何だと…!?」
思わず足を止めた狡噛だったが、僅かな時間 思考を巡らせた後、静かに頭を横に振った。
「いや、その可能性は薄いな」
「えっ!?」
「局長は幸子を槙島を誘き寄せる餌にしようとしていた。取引はその過程で行われたと考えられる。取引をした時、幸子は俺との関係を忘れさせられていたんだ。俺は取引材料にはならない」
「でも…それじゃあ幸子さんは…?!」
「まだ俺達の知らない何かがありそうだな」
狡噛が呟き、視線をドミネーターに投げた。
誰にも告げず、幸子が一人戦っているものとは一体……。
「そういえば……おかしな事を言っていたな」
「?」
周囲の警戒を怠らずに常守は視線だけで狡噛を振り返った。彼の言わんとしている事がピンとこない。
「幸子の待機についてだ。禾生局長の命令は命令なんかじゃない、と」
「あっ………はい。確かに言いました」
一瞬バツが悪そうな顔をした常守だったが、その事実を隠さずに認めた。
「どういう意味だ?局長は幸子を、命令以外の何かで縛っているのか?」
「……」
常守は応えなかった。
代わりに先程見せた、少し悲しげな笑みを覗かせる。
「狡噛さん、ひとつ…約束して下さい」
「なんだ?」
「槙島を捕らえたら……その後は、幸子さんと幸せになる事だけを考えるって」
常守とは幸子を巡り、縢曰く『姉を巡る姉の恋人と妹の対決』を繰り広げてきた。
ここにきてようやく『妹』との和解が成立したといった所か。
こんな事態にあるのに、狡噛はふとそんな事を考えてしまい苦笑した。
「驚いたな。あんたの口から俺達の関係を肯定する言葉が聞ける日が来るとは」
「…っ、茶化さないで下さい」
「すまない。だが…心配無用だ。言われるまでもなくそのつもりさ」
「良かった…」
安堵する常守の様子を見ていると、ある考えが浮かんでくる。
「幸子が局長と何を取引しているか知ってるのか?」
僅かに常守の瞳が揺れた気がした。
「詳しい事は知りません。でも取引のキーパーソンは狡噛さんだと思います」
「何だと…!?」
思わず足を止めた狡噛だったが、僅かな時間 思考を巡らせた後、静かに頭を横に振った。
「いや、その可能性は薄いな」
「えっ!?」
「局長は幸子を槙島を誘き寄せる餌にしようとしていた。取引はその過程で行われたと考えられる。取引をした時、幸子は俺との関係を忘れさせられていたんだ。俺は取引材料にはならない」
「でも…それじゃあ幸子さんは…?!」
「まだ俺達の知らない何かがありそうだな」
狡噛が呟き、視線をドミネーターに投げた。
誰にも告げず、幸子が一人戦っているものとは一体……。