#46 罪と罰の境界線
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銃弾は寸分違わず槙島に命中したかのように思えた。
パリィィン!
だが次の瞬間、ガラスが割れ砕け散る音が響いた。狡噛が撃ったのは、鏡に映り込んだ槙島の姿だったのだ。
「――っ?!」
鏡と反対側に潜んでいた槙島が狡噛に襲いかかった。
咄嗟に振り向いたリボルバーは槙島の掌底打により簡単に弾き飛ばされてしまう。
カミソリを抜いた槙島を牽制しながら、素早い動作で懐に忍び込ませていたナイフを取り出し構えた。
「君だってそうだろう、狡噛慎也。
誰も君の正義を認めなかった。君の怒りを理解しなかった」
刃が交差しキィンと鈍い金属音を立てた。距離を取る両者。
「だがね、僕はむしろ評価する。孤独を恐れない君を、孤独を武器にしてきた君を」
バッと槙島が動いた。
カミソリを器用に操りながら距離を縮めていき、不意をついてナイフを持つ狡噛の腕を取り押さえ倒した。
「お前は成長がないな、狡噛」
「くっ……!」
歪んだ笑みを貼り付けた槙島を悔しそうに見上げる。槙島は真正面から狡噛の瞳を受け止めた。
「しかし……驚いたな」
「?……」
「君が幸子を手離そうとするとは思わなかったよ」
「何…だと…!?」
こんな時に何を言い出すのだ、この男は。
「言ったんだろう?指輪の解除キーを。彼女に――"自分の事は忘れてくれ"と」
「!」
征陸から授かったレコーダー。
まさかあれに吹き込んだ別れの言葉が幸子の記憶を呼び戻すきっかけになったとは――。
「幸子を何処へやった!?」
「心配いらない。安全な場所にいる。……君はもう二度と幸子に逢う事は叶わない」
狡噛の腕目掛けてカミソリを振り下ろした。
狡噛は手元でナイフを反転させてカミソリの刃を受けた。ガキィンと先程より大きな金属音が辺りに響いた。
「悪いな。俺は幸子を手離す気は毛頭ない!」
虚をつかれた槙島の僅かな動揺を見逃さずにナイフを振るう。それは槙島の腕を深々と切り裂いた。己の血にまみれたカミソリが弧を描いて床に転がった。
「……っ…」
痛みで意識が朦朧とする。
転がる己のカミソリとリボルバーの距離を測り、顔を上げると肉食獣の光を帯びた狡噛の目がしっかりと己を捕らえていた。
武器を拾いあげる間を与えずに狡噛は地を蹴った。
開いた距離が再び縮まろうとした瞬間。両者の間にスタングレネードが炸裂し、それは目映いばかりに発光した。
パリィィン!
だが次の瞬間、ガラスが割れ砕け散る音が響いた。狡噛が撃ったのは、鏡に映り込んだ槙島の姿だったのだ。
「――っ?!」
鏡と反対側に潜んでいた槙島が狡噛に襲いかかった。
咄嗟に振り向いたリボルバーは槙島の掌底打により簡単に弾き飛ばされてしまう。
カミソリを抜いた槙島を牽制しながら、素早い動作で懐に忍び込ませていたナイフを取り出し構えた。
「君だってそうだろう、狡噛慎也。
誰も君の正義を認めなかった。君の怒りを理解しなかった」
刃が交差しキィンと鈍い金属音を立てた。距離を取る両者。
「だがね、僕はむしろ評価する。孤独を恐れない君を、孤独を武器にしてきた君を」
バッと槙島が動いた。
カミソリを器用に操りながら距離を縮めていき、不意をついてナイフを持つ狡噛の腕を取り押さえ倒した。
「お前は成長がないな、狡噛」
「くっ……!」
歪んだ笑みを貼り付けた槙島を悔しそうに見上げる。槙島は真正面から狡噛の瞳を受け止めた。
「しかし……驚いたな」
「?……」
「君が幸子を手離そうとするとは思わなかったよ」
「何…だと…!?」
こんな時に何を言い出すのだ、この男は。
「言ったんだろう?指輪の解除キーを。彼女に――"自分の事は忘れてくれ"と」
「!」
征陸から授かったレコーダー。
まさかあれに吹き込んだ別れの言葉が幸子の記憶を呼び戻すきっかけになったとは――。
「幸子を何処へやった!?」
「心配いらない。安全な場所にいる。……君はもう二度と幸子に逢う事は叶わない」
狡噛の腕目掛けてカミソリを振り下ろした。
狡噛は手元でナイフを反転させてカミソリの刃を受けた。ガキィンと先程より大きな金属音が辺りに響いた。
「悪いな。俺は幸子を手離す気は毛頭ない!」
虚をつかれた槙島の僅かな動揺を見逃さずにナイフを振るう。それは槙島の腕を深々と切り裂いた。己の血にまみれたカミソリが弧を描いて床に転がった。
「……っ…」
痛みで意識が朦朧とする。
転がる己のカミソリとリボルバーの距離を測り、顔を上げると肉食獣の光を帯びた狡噛の目がしっかりと己を捕らえていた。
武器を拾いあげる間を与えずに狡噛は地を蹴った。
開いた距離が再び縮まろうとした瞬間。両者の間にスタングレネードが炸裂し、それは目映いばかりに発光した。