#45 父子
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もうもうと煙を上げるコンテナを目指し進む。
金属音がぶつかり合う音がやんだ事に不安を募らせながら、幸子はそこに到着した。
「あんたは刑事だ。その勤めを果たせ!」
そこで目にしたものは――地に転がりながらも揉み合う槙島と征陸の姿と――腕を挟まれ瓦礫の下敷きになった宜野座だった。
「伸元!」
足がもつれるのも構わず宜野座に駆け寄る。
下敷きになっている宜野座の傍には壊れた眼鏡。しかし眼鏡などかけていなくとも、元々視力のよい宜野座は直ぐに幸子の存在に気づいた。
「幸子!」
「待ってて。今助けるから!」
「馬鹿な真似はよせ!早くここから離れろ!! 槙島が――!」
反射的に背後を振り返る。
征陸と揉み合う槙島の手には……小型のパイプ爆弾。それは既に着火している。
征陸に締め付けられながらも導火線を床に擦りつけたようだ。
「幸子、早く安全な場所へ逃げろ!」
「いや!!」
覚悟を決めた宜野座の声音を、幸子は激しく首を横に振って拒絶した。
宜野座にのし掛かるコンテナを手にかけ、何とか持ち上げようと試みる……が、ビクともしない!
「幸子!」
「絶対に助けるから!!」
しかし、そんな幸子の想いとは裏腹に、爆弾は無情にも槙島の手を離れた。
「?!!」
ゴロリと冷たい音を立てて容赦なく転がってくる爆弾。導火線はもう長くはない。
宜野座が必死で「逃げろ」と叫んでいる。だが、どうしてそれが出来よう。
(慎也……!)
ぎゅっと目を閉じ身を縮こまらせた瞬間――
「うおおおぉっ!」
征陸が吼えた。
槙島を振り払い、一人息子の前に転がった爆弾に突進していく。
爆発音が響いたのはその直後だった。
金属音がぶつかり合う音がやんだ事に不安を募らせながら、幸子はそこに到着した。
「あんたは刑事だ。その勤めを果たせ!」
そこで目にしたものは――地に転がりながらも揉み合う槙島と征陸の姿と――腕を挟まれ瓦礫の下敷きになった宜野座だった。
「伸元!」
足がもつれるのも構わず宜野座に駆け寄る。
下敷きになっている宜野座の傍には壊れた眼鏡。しかし眼鏡などかけていなくとも、元々視力のよい宜野座は直ぐに幸子の存在に気づいた。
「幸子!」
「待ってて。今助けるから!」
「馬鹿な真似はよせ!早くここから離れろ!! 槙島が――!」
反射的に背後を振り返る。
征陸と揉み合う槙島の手には……小型のパイプ爆弾。それは既に着火している。
征陸に締め付けられながらも導火線を床に擦りつけたようだ。
「幸子、早く安全な場所へ逃げろ!」
「いや!!」
覚悟を決めた宜野座の声音を、幸子は激しく首を横に振って拒絶した。
宜野座にのし掛かるコンテナを手にかけ、何とか持ち上げようと試みる……が、ビクともしない!
「幸子!」
「絶対に助けるから!!」
しかし、そんな幸子の想いとは裏腹に、爆弾は無情にも槙島の手を離れた。
「?!!」
ゴロリと冷たい音を立てて容赦なく転がってくる爆弾。導火線はもう長くはない。
宜野座が必死で「逃げろ」と叫んでいる。だが、どうしてそれが出来よう。
(慎也……!)
ぎゅっと目を閉じ身を縮こまらせた瞬間――
「うおおおぉっ!」
征陸が吼えた。
槙島を振り払い、一人息子の前に転がった爆弾に突進していく。
爆発音が響いたのはその直後だった。