#45 父子
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ひしめき合う棚の隙間から見知った顔が見え、声をあげようとした途端口を塞がれた。
「ん…、んんっ!!」
「大人しくしているんだ。僕は彼ら親子の命の輝きが見たい」
その言葉にゾッとする。
この男が目の前の獲物を見す見す逃す理由はない。
(智己おじさん! 伸元!!)
2人はここに自分達が潜んでいる事を知らない。何とか伝えなくてはともがく体を背後から簡単に抱きすくめられ、幸子は身動きひとつ取れないでいた。
――広い室内に何かが爆発する音が響き渡ったのは、それから間もなくだった。
「――っ!!?」
「かかったようだ」
ネイルガンを構えた槙島が嬉しそうに言った。
顔面蒼白な幸子の額に口づけると、彼は素早い身のこなしで整然と並ぶ棚の隙間へと突っ込んでいった。
(2人を助けなくちゃ…!!)
槙島の後を追おうとするも睡眠薬の影響か、まだ倦怠感が消えずに足がもつれ前のめりに倒れた。
「伸元……智己おじさん……」
もつれた足が震えていてうまく立ち上がれない。
さっきの爆発音はただ事じゃなかった。おそらくは槙島が仕掛けたトラップにかかったのだろう。
2人に何かあったら……
そう思うだけで無意識に最悪を想定してしまい、体が震えた。
家族ぐるみの付き合いのあったあの親子の事は子供の頃からよく知っている。彼らもまた、幸子にとってかけがえのない存在である事に変わりなかった。
失いたくない――!!
気力を振り絞り立ち上がると、ふらつきながら槙島の後を追いかけた。
「ん…、んんっ!!」
「大人しくしているんだ。僕は彼ら親子の命の輝きが見たい」
その言葉にゾッとする。
この男が目の前の獲物を見す見す逃す理由はない。
(智己おじさん! 伸元!!)
2人はここに自分達が潜んでいる事を知らない。何とか伝えなくてはともがく体を背後から簡単に抱きすくめられ、幸子は身動きひとつ取れないでいた。
――広い室内に何かが爆発する音が響き渡ったのは、それから間もなくだった。
「――っ!!?」
「かかったようだ」
ネイルガンを構えた槙島が嬉しそうに言った。
顔面蒼白な幸子の額に口づけると、彼は素早い身のこなしで整然と並ぶ棚の隙間へと突っ込んでいった。
(2人を助けなくちゃ…!!)
槙島の後を追おうとするも睡眠薬の影響か、まだ倦怠感が消えずに足がもつれ前のめりに倒れた。
「伸元……智己おじさん……」
もつれた足が震えていてうまく立ち上がれない。
さっきの爆発音はただ事じゃなかった。おそらくは槙島が仕掛けたトラップにかかったのだろう。
2人に何かあったら……
そう思うだけで無意識に最悪を想定してしまい、体が震えた。
家族ぐるみの付き合いのあったあの親子の事は子供の頃からよく知っている。彼らもまた、幸子にとってかけがえのない存在である事に変わりなかった。
失いたくない――!!
気力を振り絞り立ち上がると、ふらつきながら槙島の後を追いかけた。