#42 意図的な再会
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「幸子、面白いものを見せてあげよう」
槙島は立ち上がると窓際に設置された机まで歩いていく。幸子も続いた。
彼が机の上に置かれた旧式のノートパソコンを操作すると、ホロではなくデスクトップに男性の顔写真が表示された。
「誰か分かるかい?」
「元農学博士の……管巻宣昭…?」
「そう。ハイパーオーツの疫病対策であるウカノミタマ・ウイルスの開発責任者管巻宣昭。
日本の完全食料自給に関わる最大の功労者さ」
嬉々として説明する槙島に嫌な予感を覚えた。
「管巻博士がどうしたの…?」
「驚異の収穫効率を誇る遺伝子組み換え麦ハイパーオーツ。現在この国の食卓に並ぶのは、99%がハイパーオーツを原料とする加工食品だ」
「聖護……?」
「もしこの麦にひとつ。致命的な欠陥が見つかったとしたら――」
ここで槙島は言葉を切り、意味ありげに口の端を上げた。
槙島は求めている。幸子が己の言わんとしている結論に辿り着く事を。
幸子は考えた。
ヒントは全て槙島の話の中にある。
日本でハイパーオーツによる食料の自給自足を可能にしたのは、管巻の開発したウカノミタマ・ウイルスに他ならない。
そして槙島は――この世界の破滅を望んでいる。
「まさか……?!」
「気づいたようだね、幸子」
驚愕する幸子とは裏腹に槙島の表情はとても満足気で。
「ハイパーオーツが疫病により壊滅的な被害を被(こうむ)れば、日本の自給体制は崩壊する」
「――?!」
「食料不足によって、日本国民全体の犯罪係数は著しく上昇するだろう」
槙島は立ち上がると窓際に設置された机まで歩いていく。幸子も続いた。
彼が机の上に置かれた旧式のノートパソコンを操作すると、ホロではなくデスクトップに男性の顔写真が表示された。
「誰か分かるかい?」
「元農学博士の……管巻宣昭…?」
「そう。ハイパーオーツの疫病対策であるウカノミタマ・ウイルスの開発責任者管巻宣昭。
日本の完全食料自給に関わる最大の功労者さ」
嬉々として説明する槙島に嫌な予感を覚えた。
「管巻博士がどうしたの…?」
「驚異の収穫効率を誇る遺伝子組み換え麦ハイパーオーツ。現在この国の食卓に並ぶのは、99%がハイパーオーツを原料とする加工食品だ」
「聖護……?」
「もしこの麦にひとつ。致命的な欠陥が見つかったとしたら――」
ここで槙島は言葉を切り、意味ありげに口の端を上げた。
槙島は求めている。幸子が己の言わんとしている結論に辿り着く事を。
幸子は考えた。
ヒントは全て槙島の話の中にある。
日本でハイパーオーツによる食料の自給自足を可能にしたのは、管巻の開発したウカノミタマ・ウイルスに他ならない。
そして槙島は――この世界の破滅を望んでいる。
「まさか……?!」
「気づいたようだね、幸子」
驚愕する幸子とは裏腹に槙島の表情はとても満足気で。
「ハイパーオーツが疫病により壊滅的な被害を被(こうむ)れば、日本の自給体制は崩壊する」
「――?!」
「食料不足によって、日本国民全体の犯罪係数は著しく上昇するだろう」