#41 葛藤の末
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公安局に程近い場所にある超高層ビルの展望台カフェ。その見張らしの良い窓際の席に幸子はいた。
幸子の視線は長いこと外に奪われていた。十数分前に運ばれてきた紅茶はとっくに冷めきっていたが、一切手のつけられた形跡はなかった。
ここに来店したのはあれ以来だ。
目を閉じれば、あの時の槙島とチェの会話が甦るようで。
「やっぱり来たんだね」
不意に名を呼ばれた。
近づく気配など気づかなかったのに、ごく自然にその男はテーブルの脇に立っていた。
ゆっくりと――窓の外から視線を移す。
「幸子」
「――…聖護」
薄い笑みを浮かべた槙島を見上げる幸子の指でリングがキラリと光った。
幸子の視線は長いこと外に奪われていた。十数分前に運ばれてきた紅茶はとっくに冷めきっていたが、一切手のつけられた形跡はなかった。
ここに来店したのはあれ以来だ。
目を閉じれば、あの時の槙島とチェの会話が甦るようで。
「やっぱり来たんだね」
不意に名を呼ばれた。
近づく気配など気づかなかったのに、ごく自然にその男はテーブルの脇に立っていた。
ゆっくりと――窓の外から視線を移す。
「幸子」
「――…聖護」
薄い笑みを浮かべた槙島を見上げる幸子の指でリングがキラリと光った。