#41 葛藤の末
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通信を切った常守は茫然としていた。
(幸子さんが消えた!?)
故意の失踪?
それともまさか槙島にさらわれたというのか!?
狡噛の代わりに自分が守ると約束したのに…。
どちらにせよまずはやるべき事をしなくては。常守は険しいまなざしで助手席を見た。そこに放置されていたドミネーターを手に取ると おもむろに顔を近づける。
「シビュラシステム、聞こえてるんでしょ? あなた達の言いなりになる上で、ひとつ条件があるわ」
『伺いましょう』
すぐにドミネーターから応答があった。
やはり通じた。常守は交渉を開始する。
「槙島聖護を生きたまま捕らえて連れてきたら、代わりに狡噛慎也の命も保証して。彼の処刑指令を取り下げて」
『それは理論的に等価性の成立しない提案です』
「あなたたちの理論なんてどうでもいいわ。
狡噛さんが助からないなら私は槙島も見殺しにする。いざとなればこの手で殺してやる」
感情を昂らせ声を荒げた常守はドミネーターの銃口を己に宛がった。
「どう?言いなりにならない私のことも始末する?いいわよ。縢君みたいに殺しなさいよ。そうして他に利用できそうな手駒を探すのね」
ドミネーターは暫し沈黙する。
『……あなたの提案には応じられません。その提案は、先程木梨幸子が既に持ち掛けています』
「幸子さんが?!」
幸子が厚生省に現れた!?
「ちょっと待って。幸子さんはあなたたちの正体を知っているの!?」
『木梨幸子はシビュラシステムの真実を把握した上で、我々と協力関係にあります』
「お生憎さま。幸子さんならあなた達に愛想をつかして公安局を出ていったわ」
皮肉を込めて言ってやったつもりでいた。
だがドミネーターの機械音声は、そんな常守の心情を見透かし逆撫でするかのように冷静に応える。
『木梨幸子が我々を裏切る可能性は極めて低いと推測されます。彼女は必ず公安局に戻ります』
「何を根拠に?!」
『木梨幸子が公安局を離脱すれば、我々との協力関係は損われたと解釈し――執行されます』
抑揚のない合成音声が冷たく告げた。
(幸子さんが消えた!?)
故意の失踪?
それともまさか槙島にさらわれたというのか!?
狡噛の代わりに自分が守ると約束したのに…。
どちらにせよまずはやるべき事をしなくては。常守は険しいまなざしで助手席を見た。そこに放置されていたドミネーターを手に取ると おもむろに顔を近づける。
「シビュラシステム、聞こえてるんでしょ? あなた達の言いなりになる上で、ひとつ条件があるわ」
『伺いましょう』
すぐにドミネーターから応答があった。
やはり通じた。常守は交渉を開始する。
「槙島聖護を生きたまま捕らえて連れてきたら、代わりに狡噛慎也の命も保証して。彼の処刑指令を取り下げて」
『それは理論的に等価性の成立しない提案です』
「あなたたちの理論なんてどうでもいいわ。
狡噛さんが助からないなら私は槙島も見殺しにする。いざとなればこの手で殺してやる」
感情を昂らせ声を荒げた常守はドミネーターの銃口を己に宛がった。
「どう?言いなりにならない私のことも始末する?いいわよ。縢君みたいに殺しなさいよ。そうして他に利用できそうな手駒を探すのね」
ドミネーターは暫し沈黙する。
『……あなたの提案には応じられません。その提案は、先程木梨幸子が既に持ち掛けています』
「幸子さんが?!」
幸子が厚生省に現れた!?
「ちょっと待って。幸子さんはあなたたちの正体を知っているの!?」
『木梨幸子はシビュラシステムの真実を把握した上で、我々と協力関係にあります』
「お生憎さま。幸子さんならあなた達に愛想をつかして公安局を出ていったわ」
皮肉を込めて言ってやったつもりでいた。
だがドミネーターの機械音声は、そんな常守の心情を見透かし逆撫でするかのように冷静に応える。
『木梨幸子が我々を裏切る可能性は極めて低いと推測されます。彼女は必ず公安局に戻ります』
「何を根拠に?!」
『木梨幸子が公安局を離脱すれば、我々との協力関係は損われたと解釈し――執行されます』
抑揚のない合成音声が冷たく告げた。