#41 葛藤の末
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鳴り響く携帯端末の呼び出し音で目を覚ました。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
オートドライブにしているので運転に支障はないが、リアルな夢だったと頭の片隅で思う。
いや、目が覚めても夢は続いているか。――とびきりの悪夢が。
たった今、厚生省で聞いてきたシビュラの真実。社会の在り方を揺るがすこの事実を常守は受け入れられずにいた。
自分が信じ、必死に守ろうとしていた世界があんなものの上に成り立っていたなんて――。
そこでようやく常守の注意は依然として鳴り響いている着信音へと向いた。着信相手は宜野座。
「はい、常守です」
『一体何処をほっつき歩いていた? この非常時に』
「はい……局長の命令で、ちょっと厚生省まで届け物を」
宜野座の声は焦燥に駆られている。何かあったのだろうか…。
『市川で殺人事件だ。現場から狡噛の指紋が出た』
「了解です。ただちに急行します」
宜野座が端末の向こうで息を飲む音が聞こえた。まだ何か話があるのだろうか?
『それともうひとつ………』
言いにくいのか、一瞬口ごもる宜野座。
「宜野座さん…?」
『……幸子が…行方を眩ました』
いつの間にか眠ってしまったらしい。
オートドライブにしているので運転に支障はないが、リアルな夢だったと頭の片隅で思う。
いや、目が覚めても夢は続いているか。――とびきりの悪夢が。
たった今、厚生省で聞いてきたシビュラの真実。社会の在り方を揺るがすこの事実を常守は受け入れられずにいた。
自分が信じ、必死に守ろうとしていた世界があんなものの上に成り立っていたなんて――。
そこでようやく常守の注意は依然として鳴り響いている着信音へと向いた。着信相手は宜野座。
「はい、常守です」
『一体何処をほっつき歩いていた? この非常時に』
「はい……局長の命令で、ちょっと厚生省まで届け物を」
宜野座の声は焦燥に駆られている。何かあったのだろうか…。
『市川で殺人事件だ。現場から狡噛の指紋が出た』
「了解です。ただちに急行します」
宜野座が端末の向こうで息を飲む音が聞こえた。まだ何か話があるのだろうか?
『それともうひとつ………』
言いにくいのか、一瞬口ごもる宜野座。
「宜野座さん…?」
『……幸子が…行方を眩ました』