#36 色のない部屋
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先程まで常守が座っていた椅子に腰掛け狡噛を伺う。
神経ビームを受けて気を失っている狡噛は何処か苦しそうだ。その表情が幸子の胸の芯を痛くする。
(こんな事が前にもあった気がする……)
そっと手を伸ばし、狡噛の前髪に触れた。
「私がここにいたら、目覚めた時に狡噛くんを困らせちゃうのかな…?」
有り得ない話ではない。
狡噛は恐らくあの夜の事を後悔している。幸子を傷つけてしまった事を。
名前ではなく苗字で呼んできたのがその証拠だ。
(でも本当に……)
前髪の下に手を滑らせ額に触れてみると、熱っぽい温もりが指先に伝わった。
「無事で良かった…」
常守があの時適切な行動を取ってくれなかったら……事態はもっと深刻な局面を迎えていただろう。
『幸子さんも同じ事を考えていたよね?』
常守の言葉が甦る。
あれは――無意識に近い行動だった。
狡噛を守らなくては。
そう思ったと同時に反射的にドミネーターを構えようと体が動いたのだ。
「狡噛くん。私……あなたを撃つ選択肢なんて考えもつかなかったよ」
だって、
「私が狙ったのは――禾生局長なんだから」
神経ビームを受けて気を失っている狡噛は何処か苦しそうだ。その表情が幸子の胸の芯を痛くする。
(こんな事が前にもあった気がする……)
そっと手を伸ばし、狡噛の前髪に触れた。
「私がここにいたら、目覚めた時に狡噛くんを困らせちゃうのかな…?」
有り得ない話ではない。
狡噛は恐らくあの夜の事を後悔している。幸子を傷つけてしまった事を。
名前ではなく苗字で呼んできたのがその証拠だ。
(でも本当に……)
前髪の下に手を滑らせ額に触れてみると、熱っぽい温もりが指先に伝わった。
「無事で良かった…」
常守があの時適切な行動を取ってくれなかったら……事態はもっと深刻な局面を迎えていただろう。
『幸子さんも同じ事を考えていたよね?』
常守の言葉が甦る。
あれは――無意識に近い行動だった。
狡噛を守らなくては。
そう思ったと同時に反射的にドミネーターを構えようと体が動いたのだ。
「狡噛くん。私……あなたを撃つ選択肢なんて考えもつかなかったよ」
だって、
「私が狙ったのは――禾生局長なんだから」