#35 監視官として
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常守と交代する形で勤務が明け、幸子は自宅への帰路に着いた。
「着信……?」
玄関ドアを開けて中に入った途端 携帯端末が着信を告げた。ディスプレイ表示を確認してみると……非通知着信。
誰だろうと首を傾げながら幸子は通話採用ボタンを押した。
「もしもし」
『ああ、幸子かい?』
「――聖護……?!」
心臓がドクリと大きな音を立てる。
『幸子、監視官に復帰したんだね』
「なんでそれを…?!」
『シビュラシステムの正体を知ったよ』
幸子の問いには答えず槙島は話を続けた。
『幸子も知ったはずだ』
「…それは……」
『真実を知ってなお、君が自ら進んでシビュラに身を捧げているのには何か理由があるのかな?』
「……っ」
幸子は思わず唇を噛んだまま押し黙ってしまった。
槙島はそれを肯定と捉えたのだろう。電話腰に小さく息を吐くのが分かった。
『狡噛慎也かい?』
「違う、彼は関係ない。私は自分の意志で監視官に復帰したの」
『――これは狡噛慎也にも話したが――あれは君が命がけで守る程価値のあるものではない』
槙島の考えには共感する。
それでもきっと秩序は必要なのだ。
「…聖護、今何処にいるの?」
消え入りそうな声で問いかけると、少しの沈黙のあと槙島は応えた。
『幸子、僕が指定する場所に来れるかい?』
「それは……出来ないよ。私は公安局の刑事だから」
『―――――』
「――!!?」
槙島の静かな声音が幸子に何かを告げた。
『待っているよ、幸子。現れないのなら、腸を引き裂いて迎えにいくまでだ。僕はお前を手放す気はないからね』
「聖護……?!」
『――愛してる』
甘い毒を含んだ言葉を残し通話は一方的に切れた。
その後も幸子は暫く携帯端末を見つめていた。
「着信……?」
玄関ドアを開けて中に入った途端 携帯端末が着信を告げた。ディスプレイ表示を確認してみると……非通知着信。
誰だろうと首を傾げながら幸子は通話採用ボタンを押した。
「もしもし」
『ああ、幸子かい?』
「――聖護……?!」
心臓がドクリと大きな音を立てる。
『幸子、監視官に復帰したんだね』
「なんでそれを…?!」
『シビュラシステムの正体を知ったよ』
幸子の問いには答えず槙島は話を続けた。
『幸子も知ったはずだ』
「…それは……」
『真実を知ってなお、君が自ら進んでシビュラに身を捧げているのには何か理由があるのかな?』
「……っ」
幸子は思わず唇を噛んだまま押し黙ってしまった。
槙島はそれを肯定と捉えたのだろう。電話腰に小さく息を吐くのが分かった。
『狡噛慎也かい?』
「違う、彼は関係ない。私は自分の意志で監視官に復帰したの」
『――これは狡噛慎也にも話したが――あれは君が命がけで守る程価値のあるものではない』
槙島の考えには共感する。
それでもきっと秩序は必要なのだ。
「…聖護、今何処にいるの?」
消え入りそうな声で問いかけると、少しの沈黙のあと槙島は応えた。
『幸子、僕が指定する場所に来れるかい?』
「それは……出来ないよ。私は公安局の刑事だから」
『―――――』
「――!!?」
槙島の静かな声音が幸子に何かを告げた。
『待っているよ、幸子。現れないのなら、腸を引き裂いて迎えにいくまでだ。僕はお前を手放す気はないからね』
「聖護……?!」
『――愛してる』
甘い毒を含んだ言葉を残し通話は一方的に切れた。
その後も幸子は暫く携帯端末を見つめていた。