#33 局長室にて
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禾生の顔には微笑が貼り付いたまま、その口が動く。
「狡噛慎也」
「…狡噛執行官が何か?」
幸子は困惑したように聞き返した。
「報告書によると、君はあの男と現場に出動したようだね」
「?……、はい」
禾生の意図が見えない以上話を続ける他ない。
「…残党制圧までは狡噛執行官には現場で調査する権利が許可されていたと記憶していますが」
「木梨君、私が指摘したいのはそこではない。君が狡噛執行官と行動を共にしたという事実だ」
禾生の言葉は幸子を益々混乱させた。
狡噛とチームを組んだ事で不備になるような事実は起きなかった。むしろ――。
「狡噛執行官は適切な対処をおこなってくれました。私は彼のおかげで命があったとさえ思っています。何の問題があったのでしょうか?」
「君のサイコパスはあの男…狡噛慎也と行動を共にする限り定まらないという点だ」
「?!……」
なぜ自分のサイコパスに狡噛が関係してくるのだ?意味が分からない。
しかし禾生の顔にはもう笑みはなかった。
「今後、狡噛執行官とチームを組む事を禁止する」
「えっ…?!」
「それと――木梨君、君は極力本部に残れ。現場は宜野座監視官と常守監視官に任せるんだ」
「そ、そんな……なぜ!?」
「槙島聖護」
「!!!」
今度こそ幸子は動揺した。
「どういう訳か、君は彼の興味をひくらしい。槙島聖護の再逮捕には君の協力が必要だ。君は本部で現場への指示に徹したまえ」
協力?
それはつまり、
(私を使って聖護を誘き出そうとしてるの……!?)
「でも――」
「木梨君」
動揺を悟られないよう平静を保ちながら口を開けば、禾生はいつになくぴしゃりと跳ね除けた。
「いつでも無効にできるんだよ?」
「――っ!?」
「賢い君なら自分の立場が分かっているだろう」
「……っ」
今や幸子の顔は蒼白だった。震える唇を噛みしめたまま、俯く。
彼女を屈服させた禾生は勝ち誇ったように微笑んだ。
「どう立ち回るべきか……よく考える事だ」
「狡噛慎也」
「…狡噛執行官が何か?」
幸子は困惑したように聞き返した。
「報告書によると、君はあの男と現場に出動したようだね」
「?……、はい」
禾生の意図が見えない以上話を続ける他ない。
「…残党制圧までは狡噛執行官には現場で調査する権利が許可されていたと記憶していますが」
「木梨君、私が指摘したいのはそこではない。君が狡噛執行官と行動を共にしたという事実だ」
禾生の言葉は幸子を益々混乱させた。
狡噛とチームを組んだ事で不備になるような事実は起きなかった。むしろ――。
「狡噛執行官は適切な対処をおこなってくれました。私は彼のおかげで命があったとさえ思っています。何の問題があったのでしょうか?」
「君のサイコパスはあの男…狡噛慎也と行動を共にする限り定まらないという点だ」
「?!……」
なぜ自分のサイコパスに狡噛が関係してくるのだ?意味が分からない。
しかし禾生の顔にはもう笑みはなかった。
「今後、狡噛執行官とチームを組む事を禁止する」
「えっ…?!」
「それと――木梨君、君は極力本部に残れ。現場は宜野座監視官と常守監視官に任せるんだ」
「そ、そんな……なぜ!?」
「槙島聖護」
「!!!」
今度こそ幸子は動揺した。
「どういう訳か、君は彼の興味をひくらしい。槙島聖護の再逮捕には君の協力が必要だ。君は本部で現場への指示に徹したまえ」
協力?
それはつまり、
(私を使って聖護を誘き出そうとしてるの……!?)
「でも――」
「木梨君」
動揺を悟られないよう平静を保ちながら口を開けば、禾生はいつになくぴしゃりと跳ね除けた。
「いつでも無効にできるんだよ?」
「――っ!?」
「賢い君なら自分の立場が分かっているだろう」
「……っ」
今や幸子の顔は蒼白だった。震える唇を噛みしめたまま、俯く。
彼女を屈服させた禾生は勝ち誇ったように微笑んだ。
「どう立ち回るべきか……よく考える事だ」