#33 局長室にて
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「よく来たね、木梨君」
敬礼した幸子が現れると、豪奢な回転椅子をくるりと回しながら振り返った禾生が笑みを湛えて迎えてくれた。
幸子は敬礼を解くと禾生が着く豪華なデスクの正面まで歩いていき事務的な口調で尋ねた。
「ご用件は何でしょう?」
「随分と釣れない言い方をするものだね」
デスクに肘をついて組んだ両手に顎を乗せながら禾生がニヤリと笑った。幸子は「失礼しました」と頭を下げた。
「まあ、いい。残党制圧の件についての報告書を読んだよ。かなり危険な目にあったそうだが」
「刑事に危険は付き物です」
「…君には自分の価値に対する認識が、些か足りていないようだ」
品定めするような禾生の視線が蛇のように絡みついてくるのを感じ、幸子は思わず目を逸らした。
額から一筋汗が落ちる。全てを見透かされているような不快感が全身を包む。
「犯罪係数21。相変わらずの理想的なサイコパスだ」
きゅっ…と小さく唇を噛みしめた。
「報告書に不備でもありましたか?」
「いや、報告書自体に不備はない。不備があるとすれば……君の行動にだ」
「?…」
怪訝な顔で再び禾生に視線を戻した。
敬礼した幸子が現れると、豪奢な回転椅子をくるりと回しながら振り返った禾生が笑みを湛えて迎えてくれた。
幸子は敬礼を解くと禾生が着く豪華なデスクの正面まで歩いていき事務的な口調で尋ねた。
「ご用件は何でしょう?」
「随分と釣れない言い方をするものだね」
デスクに肘をついて組んだ両手に顎を乗せながら禾生がニヤリと笑った。幸子は「失礼しました」と頭を下げた。
「まあ、いい。残党制圧の件についての報告書を読んだよ。かなり危険な目にあったそうだが」
「刑事に危険は付き物です」
「…君には自分の価値に対する認識が、些か足りていないようだ」
品定めするような禾生の視線が蛇のように絡みついてくるのを感じ、幸子は思わず目を逸らした。
額から一筋汗が落ちる。全てを見透かされているような不快感が全身を包む。
「犯罪係数21。相変わらずの理想的なサイコパスだ」
きゅっ…と小さく唇を噛みしめた。
「報告書に不備でもありましたか?」
「いや、報告書自体に不備はない。不備があるとすれば……君の行動にだ」
「?…」
怪訝な顔で再び禾生に視線を戻した。