#脱出
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狭く薄暗い通気ダクトをほふく前進の要領で這って進んでいく。
毒ガスが通気孔に充満してくるのも時間の問題だ。一刻も早く石壁の向こう側――幸子の許に辿り着かなくては。
「!……」
順調に進んでいた狡噛が突然動きを止めた。顔をしかめる。額からは汗一筋。
目の前には三本の別れ道。
デバイスで見取図を確認しようとするも、先程の戦闘時に故障させてしまったのかデータを開く事が出来なかった。
「確率は三分の一か…」
背後には毒ガスが迫っている。
万が一行き止まりだった場合、引き返すのはもう不可能だ。狡噛は命の選択を迫られていた。
カツッ
「!!?」
微かな金属音が聞こえた気がして狡噛はハッとした。
幻聴かと思っている間にまた小さく音が鳴る。
ダクトの床部分に耳を充て澄ましてみると――カツッカツッ――くぐもった音が規則的に届いた。まるで狡噛を導くように。
「幸子か…?!」
それは幸子からの信号だと狡噛は確信した。そしてゆっくりと音が聞こえてくる方向へと前進を始めた――。
10分も進んだだろうか。
いや、実際はもっと短い時間かもしれない。
闇の中では時の経過が恐ろしく曖昧であった。
金属音が大きくなり、闇の先に一点の光が見えた。出口だ!
やはりこの道で間違いなかったのだ。
更なる確信を持って進んでいく。
光が大きくなるにつれ薄暗さは徐々に解消されていった。その光の中心に――ドミネーターで懸命にダクトの床を叩く女の姿を確認した。
「狡噛くん!!」
通気ダクトの入口から顔を覗かせていた幸子が顔を綻ばせた。狡噛に向けて手を伸ばす。
「幸子!」
狡噛も手を伸ばし、その手を掴んだ。
狡噛と幸子。2人の手がしっかりと結ばれる。
「狡噛くん!無事で――きゃっ!」
バランスを崩し通気孔から姿を消した幸子に引っ張られる形で、狡噛は狭いダクト内から無事脱出した。
毒ガスが通気孔に充満してくるのも時間の問題だ。一刻も早く石壁の向こう側――幸子の許に辿り着かなくては。
「!……」
順調に進んでいた狡噛が突然動きを止めた。顔をしかめる。額からは汗一筋。
目の前には三本の別れ道。
デバイスで見取図を確認しようとするも、先程の戦闘時に故障させてしまったのかデータを開く事が出来なかった。
「確率は三分の一か…」
背後には毒ガスが迫っている。
万が一行き止まりだった場合、引き返すのはもう不可能だ。狡噛は命の選択を迫られていた。
カツッ
「!!?」
微かな金属音が聞こえた気がして狡噛はハッとした。
幻聴かと思っている間にまた小さく音が鳴る。
ダクトの床部分に耳を充て澄ましてみると――カツッカツッ――くぐもった音が規則的に届いた。まるで狡噛を導くように。
「幸子か…?!」
それは幸子からの信号だと狡噛は確信した。そしてゆっくりと音が聞こえてくる方向へと前進を始めた――。
10分も進んだだろうか。
いや、実際はもっと短い時間かもしれない。
闇の中では時の経過が恐ろしく曖昧であった。
金属音が大きくなり、闇の先に一点の光が見えた。出口だ!
やはりこの道で間違いなかったのだ。
更なる確信を持って進んでいく。
光が大きくなるにつれ薄暗さは徐々に解消されていった。その光の中心に――ドミネーターで懸命にダクトの床を叩く女の姿を確認した。
「狡噛くん!!」
通気ダクトの入口から顔を覗かせていた幸子が顔を綻ばせた。狡噛に向けて手を伸ばす。
「幸子!」
狡噛も手を伸ばし、その手を掴んだ。
狡噛と幸子。2人の手がしっかりと結ばれる。
「狡噛くん!無事で――きゃっ!」
バランスを崩し通気孔から姿を消した幸子に引っ張られる形で、狡噛は狭いダクト内から無事脱出した。