#31 飛び込んできた事件
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その一報が飛び込んできたのは、幸子が第2当直勤務で一係オフィスへやって来た直後だった。
「B拠点に出入りする不審人物が確認された」
監視官デスクからツカツカとこちらへ歩いてきた宜野座が、クイッと眼鏡をあげながら言った。
「B拠点といやあ、昨日コウとお嬢ちゃんが調査した場所じゃねえか」
湯気の立つ湯のみをデスクにコトリと置きながら征陸は顔をしかめる。
「調査はしたんだろ?」
「ああ。だが藻抜けの殻だった」
宜野座がちらりと狡噛に目をやり尋ねる。煙草をくわえたまま狡噛は頷いた。
「藻抜けの殻…に、見せかけたのかもしれねえな」
「或いは何か忘れ物でも取りに戻ったか」
「どっちにしろもう一度調査が必要だね」
征陸と宜野座のやりとりに耳を傾けながら幸子が意見する。もし本当にB拠点に出入りがあるならばそれは制圧しきれていなかった残党に他ならない。
幸子は空席の執行官デスクを見た。デスクの主である六合塚は非番だ。
「(もしかしたら滝崎リナかもしれない)……伸元、私が調査に行くよ」
「いや、それはダメだ。俺が行く」
きっぱりと言い切る幼なじみの本音がなんとなく見える。おそらく幸子を心配しくれているのだろう。
「伸元はもうすぐ勤務があけるでしょ。やっぱり私が行くよ」
「幸子…!?」
「直に朱ちゃんも来るから引き継ぎをお願い」
「…分かった。幸子、征陸執行官を連れていけ」
「はいよ、監視官」
宜野座の気持ちを知ってか知らずか(多分前者だ)、征陸がニヤリと笑い頷いた。しかし直ぐ様狡噛が名乗りをあげた。
「いや、俺が同行しよう」
宜野座は一瞬躊躇うような素振りを見せたが、渋々…というように頷いた。
「決まりだな。行くぞ、監視官」
「う、うんっ!」
大きく頷いて狡噛の後に続きオフィスを後にする。
「狡噛さん! それに…幸子さん?!」
オフィスを出てすぐの通路で常守と出会した。
「事件ですか?!」
「B拠点へ出動する」
「朱ちゃん、後をよろしく!」
状況を飲み込みきれていない常守に見送られ、狡噛と幸子は駐車場へ急いだ。
「B拠点に出入りする不審人物が確認された」
監視官デスクからツカツカとこちらへ歩いてきた宜野座が、クイッと眼鏡をあげながら言った。
「B拠点といやあ、昨日コウとお嬢ちゃんが調査した場所じゃねえか」
湯気の立つ湯のみをデスクにコトリと置きながら征陸は顔をしかめる。
「調査はしたんだろ?」
「ああ。だが藻抜けの殻だった」
宜野座がちらりと狡噛に目をやり尋ねる。煙草をくわえたまま狡噛は頷いた。
「藻抜けの殻…に、見せかけたのかもしれねえな」
「或いは何か忘れ物でも取りに戻ったか」
「どっちにしろもう一度調査が必要だね」
征陸と宜野座のやりとりに耳を傾けながら幸子が意見する。もし本当にB拠点に出入りがあるならばそれは制圧しきれていなかった残党に他ならない。
幸子は空席の執行官デスクを見た。デスクの主である六合塚は非番だ。
「(もしかしたら滝崎リナかもしれない)……伸元、私が調査に行くよ」
「いや、それはダメだ。俺が行く」
きっぱりと言い切る幼なじみの本音がなんとなく見える。おそらく幸子を心配しくれているのだろう。
「伸元はもうすぐ勤務があけるでしょ。やっぱり私が行くよ」
「幸子…!?」
「直に朱ちゃんも来るから引き継ぎをお願い」
「…分かった。幸子、征陸執行官を連れていけ」
「はいよ、監視官」
宜野座の気持ちを知ってか知らずか(多分前者だ)、征陸がニヤリと笑い頷いた。しかし直ぐ様狡噛が名乗りをあげた。
「いや、俺が同行しよう」
宜野座は一瞬躊躇うような素振りを見せたが、渋々…というように頷いた。
「決まりだな。行くぞ、監視官」
「う、うんっ!」
大きく頷いて狡噛の後に続きオフィスを後にする。
「狡噛さん! それに…幸子さん?!」
オフィスを出てすぐの通路で常守と出会した。
「事件ですか?!」
「B拠点へ出動する」
「朱ちゃん、後をよろしく!」
状況を飲み込みきれていない常守に見送られ、狡噛と幸子は駐車場へ急いだ。