#29 交わる思惑
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既に滝崎から驚愕は跡形もなく消え去っていた。
「前にも言ったはずよ。あんたには撃てない」
「撃つ!」
その為にあたしは執行官になったんだ――!!
そう気持ちを奮い起たせるもトリガーが引けない。
その様子に滝崎は余裕の笑みを浮かべ「撃ってみなさい」と言わんばかりに両手を広げ挑発する。
「弥生ちゃん、下がって。私がやるよ」
「幸子…!?」
ドミネーターを構えた幸子が六合塚の隣に進んだ。中指の指輪が鈍く光る。
実際に六合塚が執行するのは難しく感じた。まだ迷いがあり、決意に心が追いついていないのが明白だ。
それでも六合塚はぐっと唇を噛みしめ、幸子のドミネーターを下げさせた。
「弥生ちゃん?!」
「ごめん幸子。でもダメなの。これはあたしの問題だから。あたしが蹴りをつけなきゃ!」
全くその通りだ。
(弥生ちゃんは――私が考えていたよりずっと成長していたんだ…)
彼女を案じる余り過保護になりすぎ出過ぎた真似をした自分を恥じる。
「……分かりました。六合塚執行官、あなたに全て任せます」
「ありがとう、幸子」
いつ滝崎に逃げられるとも言えない状況で己を信じて全てを任せてくれた幸子に感謝する。
さて、改めて滝崎を見れば――腕を組んだまま逃げる気配もない。
甘くみられたものだ。
再度ドミネーターを滝崎に向ける。深呼吸すると震えが収まった。
依然滝崎リナは余裕の笑みを浮かべたまま。
「リナ、何がおかしいの!?」
「全てよ。あんた達の関係も、この茶番も、全て」
「そう言って軽口叩いていられるのも今の内よ!」
「さあ、それはどうかしら?」
「っ、きゃ……っ!!」
背後で響いた短い悲鳴に慌てて振り返ると、後ろには捕われの幸子と…屈強な2人の男。
その内の一人が幸子を羽交い締めにして拘束しナイフを、もう一人が銃口を突きつけている。
「幸子っ!!!」
「おっと、動くなよ。この女の命が惜しければな」
「くっ……!」
男達を執行しようにもドミネーターは幸子のサイコパスを読み取ってしまい使い物にならない。
「あはははは、形勢逆転みたいね!」
リナの勝ち誇ったような甲高い笑い声が薄汚れた狭い室内に響き渡った。
「前にも言ったはずよ。あんたには撃てない」
「撃つ!」
その為にあたしは執行官になったんだ――!!
そう気持ちを奮い起たせるもトリガーが引けない。
その様子に滝崎は余裕の笑みを浮かべ「撃ってみなさい」と言わんばかりに両手を広げ挑発する。
「弥生ちゃん、下がって。私がやるよ」
「幸子…!?」
ドミネーターを構えた幸子が六合塚の隣に進んだ。中指の指輪が鈍く光る。
実際に六合塚が執行するのは難しく感じた。まだ迷いがあり、決意に心が追いついていないのが明白だ。
それでも六合塚はぐっと唇を噛みしめ、幸子のドミネーターを下げさせた。
「弥生ちゃん?!」
「ごめん幸子。でもダメなの。これはあたしの問題だから。あたしが蹴りをつけなきゃ!」
全くその通りだ。
(弥生ちゃんは――私が考えていたよりずっと成長していたんだ…)
彼女を案じる余り過保護になりすぎ出過ぎた真似をした自分を恥じる。
「……分かりました。六合塚執行官、あなたに全て任せます」
「ありがとう、幸子」
いつ滝崎に逃げられるとも言えない状況で己を信じて全てを任せてくれた幸子に感謝する。
さて、改めて滝崎を見れば――腕を組んだまま逃げる気配もない。
甘くみられたものだ。
再度ドミネーターを滝崎に向ける。深呼吸すると震えが収まった。
依然滝崎リナは余裕の笑みを浮かべたまま。
「リナ、何がおかしいの!?」
「全てよ。あんた達の関係も、この茶番も、全て」
「そう言って軽口叩いていられるのも今の内よ!」
「さあ、それはどうかしら?」
「っ、きゃ……っ!!」
背後で響いた短い悲鳴に慌てて振り返ると、後ろには捕われの幸子と…屈強な2人の男。
その内の一人が幸子を羽交い締めにして拘束しナイフを、もう一人が銃口を突きつけている。
「幸子っ!!!」
「おっと、動くなよ。この女の命が惜しければな」
「くっ……!」
男達を執行しようにもドミネーターは幸子のサイコパスを読み取ってしまい使い物にならない。
「あはははは、形勢逆転みたいね!」
リナの勝ち誇ったような甲高い笑い声が薄汚れた狭い室内に響き渡った。