#29 交わる思惑
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六合塚弥生は 眉間に皺を寄せ目を大きく見開き、現れた女を直視していた。
幸子も小刻みに震える六合塚の斜め後ろから覗き込むように女を見る。
黒いフードつきコートを頭からすっぽり被った女の青い髪と、派手な化粧を施した顔が六合塚を見つけた嬉しさにか震えていた。
「久しぶりね、弥生」
「リナ…」
六合塚が確認するように呟いた。
最後に会った時より幾分やつれてはいるが、間違いない。滝崎リナだ。
「公安局の刑事が動き出したって聞いてこっちに移ってきたけど……まさかあんただったとはね、弥生」
「リナ……」
絞り出すようにもう一度名を呼んだ。
六合塚と女に流れる独特な空気で、幸子は女が一度だけ話に聞いた滝崎リナだと理解する。
滝崎は六合塚からドミネーターへと視線を移し、ふんと鼻を鳴らした。
「ふーん。あんた執行官になったんだ」
そして敵意剥き出しの目を背後に立つ幸子へ。
「――で? 後ろの女が監視官…あんたのご主人様ってわけか。弥生も立派な飼い犬になったようね」
「そんな言い方――!!」
「幸子。いいの、私は大丈夫」
「弥生ちゃん…!!」
六合塚は僅かに幸子を振り返り弱く微笑んだ。滝崎はそれがお気に召さないとばかりに一瞬顔をしかめ、すぐに意地悪な笑みを浮かべた。
「へえ。その女とは公私共に仲良しってわけか。私の代わりが出来て良かったわね、弥生」
侮辱の言葉に反論しようとした幸子を片手で制し、六合塚はあくまで冷静を装い会話を続けた。
「リナ……あなたまだこんな事してたの?」
「当然でしょ。シビュラが壊滅するその日まで、私達の闘いは終わらないわ!」
興奮した滝崎の頭からするりとフードが落ちた。
「シビュラさえ無くなれば弥生だって解放される。自由になれるのよ!?」
「だからって…関係ない人々まで捲き込むリナ達のやり方は間違ってる!」
「………ホント、残念…」
ボソッと呟いた滝崎の表情は、あの時と同じ失望したようなそれ。
「やっぱりあんたとは判り合えないみたいね」
「……リナ、あたし決めていたの」
「何を?」
滝崎の膨れっ面が僅かに驚愕を示す。
ドミネーターの銃口が真っ直ぐに彼女を捕えていた。
「次に逢った時は、あたしの手で必ず裁くと」
幸子も小刻みに震える六合塚の斜め後ろから覗き込むように女を見る。
黒いフードつきコートを頭からすっぽり被った女の青い髪と、派手な化粧を施した顔が六合塚を見つけた嬉しさにか震えていた。
「久しぶりね、弥生」
「リナ…」
六合塚が確認するように呟いた。
最後に会った時より幾分やつれてはいるが、間違いない。滝崎リナだ。
「公安局の刑事が動き出したって聞いてこっちに移ってきたけど……まさかあんただったとはね、弥生」
「リナ……」
絞り出すようにもう一度名を呼んだ。
六合塚と女に流れる独特な空気で、幸子は女が一度だけ話に聞いた滝崎リナだと理解する。
滝崎は六合塚からドミネーターへと視線を移し、ふんと鼻を鳴らした。
「ふーん。あんた執行官になったんだ」
そして敵意剥き出しの目を背後に立つ幸子へ。
「――で? 後ろの女が監視官…あんたのご主人様ってわけか。弥生も立派な飼い犬になったようね」
「そんな言い方――!!」
「幸子。いいの、私は大丈夫」
「弥生ちゃん…!!」
六合塚は僅かに幸子を振り返り弱く微笑んだ。滝崎はそれがお気に召さないとばかりに一瞬顔をしかめ、すぐに意地悪な笑みを浮かべた。
「へえ。その女とは公私共に仲良しってわけか。私の代わりが出来て良かったわね、弥生」
侮辱の言葉に反論しようとした幸子を片手で制し、六合塚はあくまで冷静を装い会話を続けた。
「リナ……あなたまだこんな事してたの?」
「当然でしょ。シビュラが壊滅するその日まで、私達の闘いは終わらないわ!」
興奮した滝崎の頭からするりとフードが落ちた。
「シビュラさえ無くなれば弥生だって解放される。自由になれるのよ!?」
「だからって…関係ない人々まで捲き込むリナ達のやり方は間違ってる!」
「………ホント、残念…」
ボソッと呟いた滝崎の表情は、あの時と同じ失望したようなそれ。
「やっぱりあんたとは判り合えないみたいね」
「……リナ、あたし決めていたの」
「何を?」
滝崎の膨れっ面が僅かに驚愕を示す。
ドミネーターの銃口が真っ直ぐに彼女を捕えていた。
「次に逢った時は、あたしの手で必ず裁くと」