#28 その先にある感情
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新たな監視官の登場に誰もが驚きを隠せなかった。
特に狡噛は普段ほとんど見せる事のない驚愕の表情で幸子を見つめている。
「ゆ……!!」
小さく半歩踏み出すと共に僅かに震える手を彼女に伸ばしかけ、下ろす。
「幸子さん…!」
「幸子、お前さん無事だったのか!?」
声をかけてきた常守と征陸に順に目配せしながら敬礼を解いた。電気に反射して中指に嵌められた指輪がキラリと光る。
それからコツコツと靴音を響かせ一同に近づいていった。
「伸元、まずは残党を制圧するのが先…でしょ?」
「そ、そうだな」
「今回は私が仕切らせてもらってもいいかな」
「あ、ああ。構わない」
動揺した宜野座が頷く。まだ状況把握ができていないのは明白だ。
宜野座の隣に立ち一同と向かい合った幸子が手短に説明を始める。
「シビュラの完全復旧にはまだ時間がかかります。それに乗じて未だ犯罪を続ける集団を制圧するのが今回の一係の任務です。現在確認されている集団の活動拠点は三ヶ所。便宜上ABC拠点と呼びます。我々はニ人一組三手に分かれ、これらを制圧します」
さっきまで乱れていた空気が引き締まる。
幸子の事は気になるが、まずは目の前の仕事。それがプロである一係の流儀だ。
「宜野座監視官は征陸執行官とA拠点へ、常守監視官は狡噛執行官とチームを組んでB拠点へ出動して下さい」
「あの、幸子さん…」
「六合塚執行官は私に同行して下さい。C拠点に出動します」
「はい」
異を唱えようとした常守と六合塚への幸子の言葉が被る。
わざと気づかないふりをしていると思うのは考えすぎか。
「市民の命がかかっています。各自速やかに任務の遂行をお願いします」
最後にそう締め括って幸子は一同を見渡した。その表情は執行官の時より幾分大人びて見えた。
特に狡噛は普段ほとんど見せる事のない驚愕の表情で幸子を見つめている。
「ゆ……!!」
小さく半歩踏み出すと共に僅かに震える手を彼女に伸ばしかけ、下ろす。
「幸子さん…!」
「幸子、お前さん無事だったのか!?」
声をかけてきた常守と征陸に順に目配せしながら敬礼を解いた。電気に反射して中指に嵌められた指輪がキラリと光る。
それからコツコツと靴音を響かせ一同に近づいていった。
「伸元、まずは残党を制圧するのが先…でしょ?」
「そ、そうだな」
「今回は私が仕切らせてもらってもいいかな」
「あ、ああ。構わない」
動揺した宜野座が頷く。まだ状況把握ができていないのは明白だ。
宜野座の隣に立ち一同と向かい合った幸子が手短に説明を始める。
「シビュラの完全復旧にはまだ時間がかかります。それに乗じて未だ犯罪を続ける集団を制圧するのが今回の一係の任務です。現在確認されている集団の活動拠点は三ヶ所。便宜上ABC拠点と呼びます。我々はニ人一組三手に分かれ、これらを制圧します」
さっきまで乱れていた空気が引き締まる。
幸子の事は気になるが、まずは目の前の仕事。それがプロである一係の流儀だ。
「宜野座監視官は征陸執行官とA拠点へ、常守監視官は狡噛執行官とチームを組んでB拠点へ出動して下さい」
「あの、幸子さん…」
「六合塚執行官は私に同行して下さい。C拠点に出動します」
「はい」
異を唱えようとした常守と六合塚への幸子の言葉が被る。
わざと気づかないふりをしていると思うのは考えすぎか。
「市民の命がかかっています。各自速やかに任務の遂行をお願いします」
最後にそう締め括って幸子は一同を見渡した。その表情は執行官の時より幾分大人びて見えた。