#27 新なる監視官
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一係オフィスには、縢と幸子以外の全員が集まっていた。
その輪の中心にいる宜野座は、堅い表情で今後の方針を説明した。
「現時点をもって縢の追跡捜査は二係に移譲。
我々一係は先ず暴動に乗じた残党の制圧、その後槙島聖護の追跡を担当する」
それから宜野座は狡噛から視線を外したまま、事務的に告げた。
「残党制圧後は狡噛執行官は公安局内に残れ。唐之杜分析官と共に我々のバックアップを担当してもらう。これは局長命令だ」
すぐに強い口調で反抗するだろうと身構えていたが、狡噛は驚く程冷静だった。いや 冷静に見えた、だけかもしれない。
ポケットから煙草を取り出し、火を点ける。
「なあ、局長命令で俺を外せなんて、妙な話だと思わないか?」
煙を深く吸い込み、まるで憤りを鎮めるように ふぅ…と長く吐き出す。
「何よりも重要なのは槙島の安全で、奴の再犯を阻止するのは二の次だ。そいつはもう逮捕とは言わない」
狡噛の眉間に皺が寄り、眼光が鋭さを帯びる。
「身柄の保護、とでも言い直すべきだろう」
誰も何も言い返せない。宜野座さえも。
今 狡噛が言った事は、宜野座が公用車の中で感じたものに近かったからだ。
緊迫した空気を破ったのは、ウィィン…という低い音を立てて開いた自動ドアと、それに続いて一係メンバーにかけられた声だった。
「憶測は後回し。まずは残党の制圧が先決だよ」
狡噛を含む全員が、一斉に部屋に現れたその人物を注目した。
静まり返っていたオフィス内が騒然とする中、彼女は手短に自己紹介を始める。
「今日から一係に配属されました。監視官 木梨幸子です」
黒いスーツを身に纏った幸子が敬礼した。
真っ直ぐ伸ばされた指に嵌められた指輪がキラリと光を反射した。
その輪の中心にいる宜野座は、堅い表情で今後の方針を説明した。
「現時点をもって縢の追跡捜査は二係に移譲。
我々一係は先ず暴動に乗じた残党の制圧、その後槙島聖護の追跡を担当する」
それから宜野座は狡噛から視線を外したまま、事務的に告げた。
「残党制圧後は狡噛執行官は公安局内に残れ。唐之杜分析官と共に我々のバックアップを担当してもらう。これは局長命令だ」
すぐに強い口調で反抗するだろうと身構えていたが、狡噛は驚く程冷静だった。いや 冷静に見えた、だけかもしれない。
ポケットから煙草を取り出し、火を点ける。
「なあ、局長命令で俺を外せなんて、妙な話だと思わないか?」
煙を深く吸い込み、まるで憤りを鎮めるように ふぅ…と長く吐き出す。
「何よりも重要なのは槙島の安全で、奴の再犯を阻止するのは二の次だ。そいつはもう逮捕とは言わない」
狡噛の眉間に皺が寄り、眼光が鋭さを帯びる。
「身柄の保護、とでも言い直すべきだろう」
誰も何も言い返せない。宜野座さえも。
今 狡噛が言った事は、宜野座が公用車の中で感じたものに近かったからだ。
緊迫した空気を破ったのは、ウィィン…という低い音を立てて開いた自動ドアと、それに続いて一係メンバーにかけられた声だった。
「憶測は後回し。まずは残党の制圧が先決だよ」
狡噛を含む全員が、一斉に部屋に現れたその人物を注目した。
静まり返っていたオフィス内が騒然とする中、彼女は手短に自己紹介を始める。
「今日から一係に配属されました。監視官 木梨幸子です」
黒いスーツを身に纏った幸子が敬礼した。
真っ直ぐ伸ばされた指に嵌められた指輪がキラリと光を反射した。