#27 新なる監視官
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護送ヘリは墜落し、槙島は逃走。生死は不明。
墜落現場からは身元不明の遺体が運び出された。
事故現場へ駆けつけた一係に許されるのは、ただ傍観する事のみ。後処理を続けるドローンの作業を見守るだけだった。
そんな中 宜野座だけは 現場に現れた禾生の公用車、その車内にいた。
「君達一係には、今回の暴動に便乗した集団の制圧、そして槙島追跡捜査を任せよう」
禾生は続ける。
「逃亡に至った経緯、真相は槙島自身の口から直に聞き出すしか他にない。よって再度槙島の身柄を確保するにあたっては、その命を脅かさない事に最優先の配慮をしてもらう」
当然、宜野座は納得がいかない。
「一体どういう事なんです…!? 納得のいく説明をして下さい」
狭い車内で身を乗り出すようにして声を荒げた。上司に食って掛かる姿が常守を彷彿とさせる。
禾生は宜野座を一瞥し、わざとらしい長い溜め息を吐いた。
「宜野座君……君にはこの状況を喜べるだけの判断力を期待していたんだがね」
「…何ですって?」
言葉の意味が理解出来ず、宜野座は眉を潜めて禾生を見た。
「縢執行官の逃亡を許し、木梨特別執行官は未だ行方不明。今や一係は壊滅寸前。危機的状況だ。そこに槙島再逮捕という優先事項が割り込んだ事で、君は自らの失態をウヤムヤにする絶好のチャンスを得たはずだ」
「!!……」
返す言葉が見つからず、宜野座は唇を噛みしめて禾生から視線を逸らした。膝の上に置いた拳が微かに震える。
「これは一係への、私なりの評価と助け船。その辺の親心を察して貰いたいものだね」
「しかし…」
「それと、執行官の狡噛慎也――あの男は残党制圧の任務完了後、槙島捜索からは外し、厳重な監視下に置くように」
禾生の視線が瞬間的に外で待機する狡噛に移った。それに促されるように、宜野座も彼を見た。狡噛を外す――!?
「どういう事です?」
「言ったはずだよ。槙島聖護の身の安全に最優先の配慮をしろ、と」
「!?……」
それではまるで――
宜野座は喉まで出かけた言葉を飲み込んだ。
黙り込んだ宜野座に視線を戻す禾生。
「とは言え、2人も人員を欠いた状態では満足いく捜査も出来ないだろう。監視官を一人、一係に補充する。これも私なりの親心だ、宜野座君」
禾生が薄く笑った。
墜落現場からは身元不明の遺体が運び出された。
事故現場へ駆けつけた一係に許されるのは、ただ傍観する事のみ。後処理を続けるドローンの作業を見守るだけだった。
そんな中 宜野座だけは 現場に現れた禾生の公用車、その車内にいた。
「君達一係には、今回の暴動に便乗した集団の制圧、そして槙島追跡捜査を任せよう」
禾生は続ける。
「逃亡に至った経緯、真相は槙島自身の口から直に聞き出すしか他にない。よって再度槙島の身柄を確保するにあたっては、その命を脅かさない事に最優先の配慮をしてもらう」
当然、宜野座は納得がいかない。
「一体どういう事なんです…!? 納得のいく説明をして下さい」
狭い車内で身を乗り出すようにして声を荒げた。上司に食って掛かる姿が常守を彷彿とさせる。
禾生は宜野座を一瞥し、わざとらしい長い溜め息を吐いた。
「宜野座君……君にはこの状況を喜べるだけの判断力を期待していたんだがね」
「…何ですって?」
言葉の意味が理解出来ず、宜野座は眉を潜めて禾生を見た。
「縢執行官の逃亡を許し、木梨特別執行官は未だ行方不明。今や一係は壊滅寸前。危機的状況だ。そこに槙島再逮捕という優先事項が割り込んだ事で、君は自らの失態をウヤムヤにする絶好のチャンスを得たはずだ」
「!!……」
返す言葉が見つからず、宜野座は唇を噛みしめて禾生から視線を逸らした。膝の上に置いた拳が微かに震える。
「これは一係への、私なりの評価と助け船。その辺の親心を察して貰いたいものだね」
「しかし…」
「それと、執行官の狡噛慎也――あの男は残党制圧の任務完了後、槙島捜索からは外し、厳重な監視下に置くように」
禾生の視線が瞬間的に外で待機する狡噛に移った。それに促されるように、宜野座も彼を見た。狡噛を外す――!?
「どういう事です?」
「言ったはずだよ。槙島聖護の身の安全に最優先の配慮をしろ、と」
「!?……」
それではまるで――
宜野座は喉まで出かけた言葉を飲み込んだ。
黙り込んだ宜野座に視線を戻す禾生。
「とは言え、2人も人員を欠いた状態では満足いく捜査も出来ないだろう。監視官を一人、一係に補充する。これも私なりの親心だ、宜野座君」
禾生が薄く笑った。