#26 収束
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一瞬の隙をついて藤間を組み伏せた槙島。
動きを封じる為、その機械の体を破壊し尽くす。
ギギギ…と壊れかけた首を動かして槙島を見た藤間の目が驚きに、恐怖に見開かれた。
「場所が分からない内は抵抗しない、と考えたんだろうが、相変わらず君は詰めが甘い」
「な…に……?!」
ゴキッと音を立てて両足が破壊された。
「さっきの『厚生省に向かう道すがら』という言葉。あれで移動中だと仄めかしてしまった。
ここは公安局の中ではない。だから逃げられると僕は判断した」
反射的に藤間の体がビクリと反応を示した事により、槙島は益々確信を深めた。
「それに…君は幸子の生死についても僕に答えを与えてしまった。仲間になれば行方が判る――それはつまり、彼女は生きているという事」
「う…あ…?!」
「生きているのなら話は早い。幸子は僕自身の手で探し出す。君達の手を借りるまでもない」
馬乗りになったまま藤間のカツラに手をかけた。
「仮に幸子が君達の仲間になっていたとしても、奪うだけだ」
――幸子が自らシビュラの一員になるなど到底あり得ないが。
「なぜだ?君なら理解できたはずだ。この全能の愉悦を。世界を統べる快感を…!!」
「僕はね、この人生というゲームを心底愛しているんだよ。だからどこまでもプレイヤーとして参加し続けたい」
藤間は数々の失態を冒した。
中でも一番の失態は、自分達の存在を肯定し、過信する余り槙島を買いかぶり過ぎたこと。
「や…やめろ…!!」
「神の意識を手に入れても死ぬのは怖いかい?」
守るものをなくし剥き出しになった脳に手を伸ばしながら、槙島が優しく囁きかけた。
――――‥‥
鳴り響く携帯端末。そのディスプレイ表示を確認して狡噛は顔をしかめた。
非通知着信。一体誰だと訝しげに思いつつも狡噛は通話採用ボタンを押した。
『夜分失礼する。狡噛慎也の番号で間違いなかったかな?』
「――っ!?」
聞き覚えのあるその声に愕然とする。奴が電話してくるなど不可能なはずだ。
『シビュラシステムの正体を知ったよ。あれは君が命がけで守る程価値のあるものではない。
それに…幸子の事は心配要らない。
それだけを伝えておきたくてね。……では いずれ、また』
一方的に切れた携帯端末を、狡噛はしばらく見つめていた。
動きを封じる為、その機械の体を破壊し尽くす。
ギギギ…と壊れかけた首を動かして槙島を見た藤間の目が驚きに、恐怖に見開かれた。
「場所が分からない内は抵抗しない、と考えたんだろうが、相変わらず君は詰めが甘い」
「な…に……?!」
ゴキッと音を立てて両足が破壊された。
「さっきの『厚生省に向かう道すがら』という言葉。あれで移動中だと仄めかしてしまった。
ここは公安局の中ではない。だから逃げられると僕は判断した」
反射的に藤間の体がビクリと反応を示した事により、槙島は益々確信を深めた。
「それに…君は幸子の生死についても僕に答えを与えてしまった。仲間になれば行方が判る――それはつまり、彼女は生きているという事」
「う…あ…?!」
「生きているのなら話は早い。幸子は僕自身の手で探し出す。君達の手を借りるまでもない」
馬乗りになったまま藤間のカツラに手をかけた。
「仮に幸子が君達の仲間になっていたとしても、奪うだけだ」
――幸子が自らシビュラの一員になるなど到底あり得ないが。
「なぜだ?君なら理解できたはずだ。この全能の愉悦を。世界を統べる快感を…!!」
「僕はね、この人生というゲームを心底愛しているんだよ。だからどこまでもプレイヤーとして参加し続けたい」
藤間は数々の失態を冒した。
中でも一番の失態は、自分達の存在を肯定し、過信する余り槙島を買いかぶり過ぎたこと。
「や…やめろ…!!」
「神の意識を手に入れても死ぬのは怖いかい?」
守るものをなくし剥き出しになった脳に手を伸ばしながら、槙島が優しく囁きかけた。
――――‥‥
鳴り響く携帯端末。そのディスプレイ表示を確認して狡噛は顔をしかめた。
非通知着信。一体誰だと訝しげに思いつつも狡噛は通話採用ボタンを押した。
『夜分失礼する。狡噛慎也の番号で間違いなかったかな?』
「――っ!?」
聞き覚えのあるその声に愕然とする。奴が電話してくるなど不可能なはずだ。
『シビュラシステムの正体を知ったよ。あれは君が命がけで守る程価値のあるものではない。
それに…幸子の事は心配要らない。
それだけを伝えておきたくてね。……では いずれ、また』
一方的に切れた携帯端末を、狡噛はしばらく見つめていた。