#26 収束
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「君達はシビュラシステムの正体を暴く為にノナタワーを襲撃したんだろう?実際、君のお仲間は真実に辿り着いていたよ」
藤間により放り投げられたスマートフォン。
血塗られたその画面に映るのはシビュラシステムの正体。
そこには縢と幸子、それに撮影者であるチェの姿も映り込んでいた。
「目下、システムの構成員は274名。うち200名程が順番にセッションを組む事で、この国の全人口のサイコパスを常時監視し、判定し続ける事が可能だ」
嬉々としてシビュラの真実を話す藤間。
しかし槙島の関心は他にあった。画面からちらりと顔をあげ、視線を藤間に流す。
「彼女を――」
「?」
「幸子をどうした?」
質問が予想外だったようで、藤間は目を丸くして槙島を見た。それから口元に手を充て、可笑しそうに肩を揺すって笑う。
「失礼。君でも他人に執着する事があるんだね」
「…僕も人間だからね。他人の温もりが欲しい時もあるさ」
ベッドに腰かけ、手にした本の感触を確かめるように表紙を撫でる槙島は微笑んでいたが、その目は全く笑っていなかった。
「木梨幸子の生死が気になるかい?」
「……」
その質問には答えず、槙島はただ微笑を浮かべる。そして藤間は本題を突きつける。
「君はただ一言イエスと頷いてくれるだけでいい。それだけで厚生省に向かう道すがら、外科的な処置は完了する。槙島聖護という公の存在は肉体と共に消失し、君はこの世界を統べる支配者の一員となる」
手を突きだし、興奮した口調で藤間は言った。
「我々の仲間になれば、木梨幸子の行方も判る」
「……」
静かに苦笑し、ふるふると首を横に振る。
滑稽だ。
「……まるでバルニバービの医者だな」
「なんだって?」
藤間が問いただした瞬間、槙島が動いた。
藤間により放り投げられたスマートフォン。
血塗られたその画面に映るのはシビュラシステムの正体。
そこには縢と幸子、それに撮影者であるチェの姿も映り込んでいた。
「目下、システムの構成員は274名。うち200名程が順番にセッションを組む事で、この国の全人口のサイコパスを常時監視し、判定し続ける事が可能だ」
嬉々としてシビュラの真実を話す藤間。
しかし槙島の関心は他にあった。画面からちらりと顔をあげ、視線を藤間に流す。
「彼女を――」
「?」
「幸子をどうした?」
質問が予想外だったようで、藤間は目を丸くして槙島を見た。それから口元に手を充て、可笑しそうに肩を揺すって笑う。
「失礼。君でも他人に執着する事があるんだね」
「…僕も人間だからね。他人の温もりが欲しい時もあるさ」
ベッドに腰かけ、手にした本の感触を確かめるように表紙を撫でる槙島は微笑んでいたが、その目は全く笑っていなかった。
「木梨幸子の生死が気になるかい?」
「……」
その質問には答えず、槙島はただ微笑を浮かべる。そして藤間は本題を突きつける。
「君はただ一言イエスと頷いてくれるだけでいい。それだけで厚生省に向かう道すがら、外科的な処置は完了する。槙島聖護という公の存在は肉体と共に消失し、君はこの世界を統べる支配者の一員となる」
手を突きだし、興奮した口調で藤間は言った。
「我々の仲間になれば、木梨幸子の行方も判る」
「……」
静かに苦笑し、ふるふると首を横に振る。
滑稽だ。
「……まるでバルニバービの医者だな」
「なんだって?」
藤間が問いただした瞬間、槙島が動いた。