#26 収束
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槙島は逮捕され、暴動は鎮圧された。
死者およそ二千人。負傷者はその倍。更にサイコハザードによる被害者は一万人以上という最悪の結末で。
医療室で手当てを受けた狡噛と常守も、決して手放しでは喜べない状況にその表情は重い。
「結局、槙島聖護は逮捕できたけれど…私達、それで勝ったと言えるんでしょうか?」
寝台に腰かけた常守が、処置を施された太股の包帯を見つめながらポツリと本音を吐露する。
同じ寝台の反対側に座る狡噛は、ひとつ息を吐いた。
「刑事の仕事は基本的に対症療法だ。被害者が出てから捜査が始まる。そういう意味じゃ、ハナから負けてる」
徐に立ち上がり、狡噛は治療の為に脱ぎ捨てたシャツに袖を通した。
「槙島聖護をどう裁くのか……問題はこれからだ。サイコパスで奴を判定できない以上、訊問で証言を引き出して奴の罪状を固めていくしかない」
厄介な仕事ではある。
それでもやらない道理はなかった。
奴を…槙島をこのままオメオメと見逃す訳にはいかない。
必ず罪を償わせてみせる。必ず、だ。
「残った心配は縢のバカヤローの事だ。俺達と別れて地下へ向かって…なぜ連絡が途絶えた?」
狡噛の脳裏に別れ際の縢の後ろ姿が甦る。
普段軽口を叩いている縢ではあるが、まさか逃亡するとは思えない。彼の身に何か起きたのだ。
「それに…幸子さんの行方も分からないまま」
常守の言葉に狡噛はギリッと奥歯を噛みしめた。
『幸子が君の許に戻ることはない。彼女の心は僕のものだ』
槙島の不敵な笑みと、言葉が甦る。
不愉快極まりない言動だ。殺意を覚えるほどに。
「槙島聖護の身柄は拘束しているんだ。どんな手を使っても聞き出してみせるさ」
そう……どんな手を使っても、だ。
死者およそ二千人。負傷者はその倍。更にサイコハザードによる被害者は一万人以上という最悪の結末で。
医療室で手当てを受けた狡噛と常守も、決して手放しでは喜べない状況にその表情は重い。
「結局、槙島聖護は逮捕できたけれど…私達、それで勝ったと言えるんでしょうか?」
寝台に腰かけた常守が、処置を施された太股の包帯を見つめながらポツリと本音を吐露する。
同じ寝台の反対側に座る狡噛は、ひとつ息を吐いた。
「刑事の仕事は基本的に対症療法だ。被害者が出てから捜査が始まる。そういう意味じゃ、ハナから負けてる」
徐に立ち上がり、狡噛は治療の為に脱ぎ捨てたシャツに袖を通した。
「槙島聖護をどう裁くのか……問題はこれからだ。サイコパスで奴を判定できない以上、訊問で証言を引き出して奴の罪状を固めていくしかない」
厄介な仕事ではある。
それでもやらない道理はなかった。
奴を…槙島をこのままオメオメと見逃す訳にはいかない。
必ず罪を償わせてみせる。必ず、だ。
「残った心配は縢のバカヤローの事だ。俺達と別れて地下へ向かって…なぜ連絡が途絶えた?」
狡噛の脳裏に別れ際の縢の後ろ姿が甦る。
普段軽口を叩いている縢ではあるが、まさか逃亡するとは思えない。彼の身に何か起きたのだ。
「それに…幸子さんの行方も分からないまま」
常守の言葉に狡噛はギリッと奥歯を噛みしめた。
『幸子が君の許に戻ることはない。彼女の心は僕のものだ』
槙島の不敵な笑みと、言葉が甦る。
不愉快極まりない言動だ。殺意を覚えるほどに。
「槙島聖護の身柄は拘束しているんだ。どんな手を使っても聞き出してみせるさ」
そう……どんな手を使っても、だ。