#25 運命的な邂逅
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『犯罪係数0。トリガーをロックします』
念の為銃口を向けてみるも、やはりドミネーターは槙島の前では無反応だった。狡噛は舌打ちしてドミネーターをホルスターに収めた。
微笑みを湛えたまま狡噛の様子を眺めていた槙島の足が再び動きだす。
「『正義は論議の種になるが、力は非常にはっきりしている。その為 人は正義に力を与える事が出来なかった』」
「……悪いな、俺は『誰かがパスカルを引用したら用心すべきだとかなり前に学んでいる』」
槙島の表情が驚きに、期待に、満足に、笑みを深めた。
「そう来ると思ってたよ。オルテガだな。もしも君がパスカルを引用したら、やっぱり僕も同じ言葉を返しただろう」
「貴様と意見があった所で嬉しくはないな」
「語り明かすのも楽しそうだが、生憎、今僕は他の用件で忙しい」
言い終わるとほぼ同時に槙島は階段を降りきった。
真正面から対峙する狡噛と槙島。
「幸子をどうした?」
「ここにはいないよ」
「何処へ隠した?答えろ!」
静かではあるが、怒りや憤りを抑えているのがひしひしと伝わる口調だった。勿論、そんな事に臆する槙島ではなく。
「そんなに幸子が大切なのかい?」
「馴れ馴れしく口にするな!」
槙島が彼女を名前で呼んだことに不快感を感じ思わず怒鳴るも、槙島はやはり冷静なままで。
「君のそういう人間らしい所には好感が持てるな。だが幸子が君の許に戻る事はない」
「あいつに何をした!?」
「さあ。それは君自身の目で確かめるといい」
「――っ、殺してやる!」
怒りが狡噛を突き動かした。
念の為銃口を向けてみるも、やはりドミネーターは槙島の前では無反応だった。狡噛は舌打ちしてドミネーターをホルスターに収めた。
微笑みを湛えたまま狡噛の様子を眺めていた槙島の足が再び動きだす。
「『正義は論議の種になるが、力は非常にはっきりしている。その為 人は正義に力を与える事が出来なかった』」
「……悪いな、俺は『誰かがパスカルを引用したら用心すべきだとかなり前に学んでいる』」
槙島の表情が驚きに、期待に、満足に、笑みを深めた。
「そう来ると思ってたよ。オルテガだな。もしも君がパスカルを引用したら、やっぱり僕も同じ言葉を返しただろう」
「貴様と意見があった所で嬉しくはないな」
「語り明かすのも楽しそうだが、生憎、今僕は他の用件で忙しい」
言い終わるとほぼ同時に槙島は階段を降りきった。
真正面から対峙する狡噛と槙島。
「幸子をどうした?」
「ここにはいないよ」
「何処へ隠した?答えろ!」
静かではあるが、怒りや憤りを抑えているのがひしひしと伝わる口調だった。勿論、そんな事に臆する槙島ではなく。
「そんなに幸子が大切なのかい?」
「馴れ馴れしく口にするな!」
槙島が彼女を名前で呼んだことに不快感を感じ思わず怒鳴るも、槙島はやはり冷静なままで。
「君のそういう人間らしい所には好感が持てるな。だが幸子が君の許に戻る事はない」
「あいつに何をした!?」
「さあ。それは君自身の目で確かめるといい」
「――っ、殺してやる!」
怒りが狡噛を突き動かした。