#24 暴動の都市
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一係は宜野座、征陸、六合塚と常守、狡噛、縢のチームに分かれてパトカーで出動した。
常守チームの車中での話題は専ら今回の暴動の首謀者について。狡噛はそれが槙島聖護であると直感していた。
「普通の人間はシビュラ・システムの穴を見つけよう、システムを無効化する装備を作ってみようと思った時点で色相が濁る。その下準備には数ヶ月かかるだろう。あのヘルメットを作れるのは、ヘルメットなしでもシビュラ・システムに対抗できる人間だけだ」
狡噛の言葉には妙な説得力があった。
「シビュラ・システムの盲点を突いた集団サイコハザード……それが槙島の目的ってこと?」
「……違う」
縢の問いに応えたのは常守だ。
彼女は運転をオートに切り換えつつも、ハンドルを握り正面を向いたままで見解を話し出した。
「槙島の犯罪はいつだって何か『答えを探すような』ところがあった。この混乱だけが目的とは思えない」
「監視官に賛成だ」
狡噛が同意した。暴動を見物して喜ぶ程度の犯罪者だったならば、もっと楽に逮捕できたはずだ。
彼の犯罪はもっと――そう、"美学"のようなものを持っている。
「幸子ちゃんてさぁ…何処行っちゃったんだろ」
両腕を頭の後ろで組み、バフッと後部座席に体を預けた縢が、誰に言うでもなく口にした。
瞬間的に車内の空気が緊張する。
「…槙島が何の目的で幸子をさらったのかは分からない。だがおそらくはまだ、奴の元にいるだろう」
抑揚を持たせないようにしてはいるが、焦燥と嫉妬からギリッと奥歯を噛み締める。そんな狡噛をちらりと見、常守はまた正面を向く。
「なんでまた幸子ちゃんを?! …人質?」
「いや、違うだろ。槙島にそんなものは必要ない」
そう。槙島が幸子を連れ去った目的が見えないからこそ余計イラついてしまうのだ。
――もしかしたら槙島は、幸子を……!?
そんな推理馬鹿げていると思いつつ、それが一番辻褄があってしまい、狡噛はえもいわれぬ嫉妬を覚えていた。
「槙島の目的が何であれ、幸子さんは助けだします。必ず」
黙り、何か思案している様子の狡噛に宣言するように、常守はハッキリとした強い口調で言った。それは何処か、自分に言い聞かせているようにも聞こえた。
常守チームの車中での話題は専ら今回の暴動の首謀者について。狡噛はそれが槙島聖護であると直感していた。
「普通の人間はシビュラ・システムの穴を見つけよう、システムを無効化する装備を作ってみようと思った時点で色相が濁る。その下準備には数ヶ月かかるだろう。あのヘルメットを作れるのは、ヘルメットなしでもシビュラ・システムに対抗できる人間だけだ」
狡噛の言葉には妙な説得力があった。
「シビュラ・システムの盲点を突いた集団サイコハザード……それが槙島の目的ってこと?」
「……違う」
縢の問いに応えたのは常守だ。
彼女は運転をオートに切り換えつつも、ハンドルを握り正面を向いたままで見解を話し出した。
「槙島の犯罪はいつだって何か『答えを探すような』ところがあった。この混乱だけが目的とは思えない」
「監視官に賛成だ」
狡噛が同意した。暴動を見物して喜ぶ程度の犯罪者だったならば、もっと楽に逮捕できたはずだ。
彼の犯罪はもっと――そう、"美学"のようなものを持っている。
「幸子ちゃんてさぁ…何処行っちゃったんだろ」
両腕を頭の後ろで組み、バフッと後部座席に体を預けた縢が、誰に言うでもなく口にした。
瞬間的に車内の空気が緊張する。
「…槙島が何の目的で幸子をさらったのかは分からない。だがおそらくはまだ、奴の元にいるだろう」
抑揚を持たせないようにしてはいるが、焦燥と嫉妬からギリッと奥歯を噛み締める。そんな狡噛をちらりと見、常守はまた正面を向く。
「なんでまた幸子ちゃんを?! …人質?」
「いや、違うだろ。槙島にそんなものは必要ない」
そう。槙島が幸子を連れ去った目的が見えないからこそ余計イラついてしまうのだ。
――もしかしたら槙島は、幸子を……!?
そんな推理馬鹿げていると思いつつ、それが一番辻褄があってしまい、狡噛はえもいわれぬ嫉妬を覚えていた。
「槙島の目的が何であれ、幸子さんは助けだします。必ず」
黙り、何か思案している様子の狡噛に宣言するように、常守はハッキリとした強い口調で言った。それは何処か、自分に言い聞かせているようにも聞こえた。