#20 闇の奥
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「時に宜野座君。報告書によると木梨特別執行官が槙島聖護に拉致されたとあるが?」
幸子の名が出た事により、一時的に宜野座の頭が渦巻く疑問を押し流しクリーンになる。
「常守監視官の証言によると、槙島聖護は犯行後、木梨執行官を連れ去ったそうです」
「何の為に?」
何の為に――?
宜野座の脳裏にある会話の記憶が甦る。
『事件とは関係ないだろうけど、面白い先生が一人いたよ。すっごい博識で…』
それが本当に槙島だった等とは思いたくもないが――
宜野座はギリッと唇を噛み締めた。
「……分かりません。ただ木梨執行官は最近まで桜霜学園に教師として潜入捜査をしていました。その時に、柴田幸盛に成り済まして学園に潜入していた槙島と面識があった可能性はあります」
「では、それに気づいた槙島聖護が故意に彼女を連れ去ったという事かな」
「……あくまで推測の域です。真意は測れません」
宜野座が俯いたまま押し黙っていると、禾生は「まあ、いい」と椅子の背もたれに深く体を預けた。
「槙島聖護、それに木梨特別執行官の身柄を確保しろ」
「了解しました」
「ただし殺すな。ただ厚生省に連行すればいい。槙島聖護は二度と社会を脅かすことはなくなり、木梨特別執行官は君達の元に戻る」
最後に禾生はニヤリと不気味な笑みを見せた。
「全てが今まで通りに戻る――それだけだ」
幸子の名が出た事により、一時的に宜野座の頭が渦巻く疑問を押し流しクリーンになる。
「常守監視官の証言によると、槙島聖護は犯行後、木梨執行官を連れ去ったそうです」
「何の為に?」
何の為に――?
宜野座の脳裏にある会話の記憶が甦る。
『事件とは関係ないだろうけど、面白い先生が一人いたよ。すっごい博識で…』
それが本当に槙島だった等とは思いたくもないが――
宜野座はギリッと唇を噛み締めた。
「……分かりません。ただ木梨執行官は最近まで桜霜学園に教師として潜入捜査をしていました。その時に、柴田幸盛に成り済まして学園に潜入していた槙島と面識があった可能性はあります」
「では、それに気づいた槙島聖護が故意に彼女を連れ去ったという事かな」
「……あくまで推測の域です。真意は測れません」
宜野座が俯いたまま押し黙っていると、禾生は「まあ、いい」と椅子の背もたれに深く体を預けた。
「槙島聖護、それに木梨特別執行官の身柄を確保しろ」
「了解しました」
「ただし殺すな。ただ厚生省に連行すればいい。槙島聖護は二度と社会を脅かすことはなくなり、木梨特別執行官は君達の元に戻る」
最後に禾生はニヤリと不気味な笑みを見せた。
「全てが今まで通りに戻る――それだけだ」