#19 空色の温もり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時を同じくしてその事件は起きた。
反社会的コミュニティーによる都内街頭スキャナーの破壊。防犯カメラに残された犯人の映像に統一性はなかったものの、全員が世田谷区北沢に出入りしていることが判明。
そこで協力要請の白羽の矢を立てられたのが他でもない六合塚だった。
「君は以前北沢を拠点に音楽活動していたそうだね。『アマルガム』の六合塚弥生さん」
きっちりとスーツを身に纏った監視官 狡噛慎也が言った。
再び面会室。
狡噛と対面する六合塚は やはり何処か頑なで。
待ちくたびれたと連絡を寄越してきた佐々山を連れ帰るべく先に席を立った宜野座を見送り、残った監視官2人は辛抱強く六合塚の説得をしていた。
「いやよ。そんな色相が濁りそうなことしたくない」
あくまで協力を拒む六合塚の目の前。ガラス越しに狡噛が差し出したもの。
「あっ…!!」
六合塚の視線はそれに釘付けになった。
23回も購入申請を却下され、それでも望んだそれ――アーニーボール:エレキギター弦。
「!!?」
六合塚の表情が変わった。
つりあげられていた眉は下がり、辛そうな、懐かしむような…そんな表情。
揺れる瞳がまごうことなく弦を映していた。
綺麗にマニキュアの塗られたその手が動き、ガラス越しに弦に触れる…。
「ねえ、六合塚さん…。犯人が北沢を拠点に動いているということは、あなたの大切な人が犯罪に巻き込まれる可能性があるということなの」
「……」
「執行官になれなんて強要しない。ただ、あなたの大切な人を守る為に力を貸して」
暫く弦を見つめていた六合塚は、やがて静かに頷いた。
反社会的コミュニティーによる都内街頭スキャナーの破壊。防犯カメラに残された犯人の映像に統一性はなかったものの、全員が世田谷区北沢に出入りしていることが判明。
そこで協力要請の白羽の矢を立てられたのが他でもない六合塚だった。
「君は以前北沢を拠点に音楽活動していたそうだね。『アマルガム』の六合塚弥生さん」
きっちりとスーツを身に纏った監視官 狡噛慎也が言った。
再び面会室。
狡噛と対面する六合塚は やはり何処か頑なで。
待ちくたびれたと連絡を寄越してきた佐々山を連れ帰るべく先に席を立った宜野座を見送り、残った監視官2人は辛抱強く六合塚の説得をしていた。
「いやよ。そんな色相が濁りそうなことしたくない」
あくまで協力を拒む六合塚の目の前。ガラス越しに狡噛が差し出したもの。
「あっ…!!」
六合塚の視線はそれに釘付けになった。
23回も購入申請を却下され、それでも望んだそれ――アーニーボール:エレキギター弦。
「!!?」
六合塚の表情が変わった。
つりあげられていた眉は下がり、辛そうな、懐かしむような…そんな表情。
揺れる瞳がまごうことなく弦を映していた。
綺麗にマニキュアの塗られたその手が動き、ガラス越しに弦に触れる…。
「ねえ、六合塚さん…。犯人が北沢を拠点に動いているということは、あなたの大切な人が犯罪に巻き込まれる可能性があるということなの」
「……」
「執行官になれなんて強要しない。ただ、あなたの大切な人を守る為に力を貸して」
暫く弦を見つめていた六合塚は、やがて静かに頷いた。