#18 解放と拘束
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地下の広間。工事途中で放置されたような場所。そこに常守と、そして彼女が追跡してきた槙島と人質の船原はいた。
高所に作られた細い通路に立つ槙島を見上げながら、常守は裁きを決行しようとドミネーターを構えるが。
『犯罪係数59 執行対象ではありません。トリガーをロックします』
槙島にドミネーターは効かなかった。
船原の身を盾にして槙島は常守に刑事としての判断と行動を問う。
「今から船原ゆきを殺してみせよう。止めたければ今あげた銃を拾って使うといい」
足元に投げられた猟銃。常守はそれを見下ろすが手に取り使用する事は出来ない。
(これを使ったら…)
シビュラの意思ではなく、故意にトリガーを引いたことになってしまう。
――つまり、"人殺し"だ。
己を撃てない常守に見切りをつけた槙島は、ついに船原に手をかけようと鋭い刃を彼女の喉にあてがう。
「君は僕を失望させた。だから罰を与えなくてはならない」
「いやぁ…助けて、朱…」
「やめて……お願い…」
「待ちなさい!!」
空間に響き渡った声に槙島の手が止まる。
彼は視線を横に移し、嬉しい誤算とでもいうように僅かに驚きを見せた。
「あなたが『マキシマ』だったんですね……柴田先生」
いつもより幾分低い声音と共に現れた女。
常守は、つんと込み上げてくるものを堪えながらその名を呼んだ。
「幸子さん…!!」
槙島と船原のいる通路の奥から姿を現したのは ドミネーターを構えた幸子だった。
高所に作られた細い通路に立つ槙島を見上げながら、常守は裁きを決行しようとドミネーターを構えるが。
『犯罪係数59 執行対象ではありません。トリガーをロックします』
槙島にドミネーターは効かなかった。
船原の身を盾にして槙島は常守に刑事としての判断と行動を問う。
「今から船原ゆきを殺してみせよう。止めたければ今あげた銃を拾って使うといい」
足元に投げられた猟銃。常守はそれを見下ろすが手に取り使用する事は出来ない。
(これを使ったら…)
シビュラの意思ではなく、故意にトリガーを引いたことになってしまう。
――つまり、"人殺し"だ。
己を撃てない常守に見切りをつけた槙島は、ついに船原に手をかけようと鋭い刃を彼女の喉にあてがう。
「君は僕を失望させた。だから罰を与えなくてはならない」
「いやぁ…助けて、朱…」
「やめて……お願い…」
「待ちなさい!!」
空間に響き渡った声に槙島の手が止まる。
彼は視線を横に移し、嬉しい誤算とでもいうように僅かに驚きを見せた。
「あなたが『マキシマ』だったんですね……柴田先生」
いつもより幾分低い声音と共に現れた女。
常守は、つんと込み上げてくるものを堪えながらその名を呼んだ。
「幸子さん…!!」
槙島と船原のいる通路の奥から姿を現したのは ドミネーターを構えた幸子だった。