#18 解放と拘束
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ほんの少しだけ冷静になった幸子は ある事に気づく。
「そういえば…朱ちゃんは何処に!?」
「お嬢ちゃんは一人で先に行っちまった。犯人はもう一人潜んでいるってのに」
「!!」
まだ事件は終わっていないのだ。
犯人を単独で追う常守は、非常に危険な状態にいる。早く加勢にいかなくては。
動揺する幸子を見ながら、征陸はハンカチで手を拭き立ち上がった。
「幸子。コウの応急措置の続きを頼む」
「智己おじさんは!?」
「お嬢ちゃんを追う。どうも嫌な予感がしてなんねーんだ」
征陸が床に置かれたドミネーターを拾い上げようとするのを見て、それから重体の狡噛に目をやった。
狡噛の傷は相当に深い。適切な措置を取れるかが重要になってくるだろう。
ならば道はひとつだ。
幸子は征陸を制して自分のドミネーターを構え直した。
「智己おじさんは慎也をお願いします」
「幸子…?」
「応急措置なら智己おじさんの方が手慣れてます。だからおじさんには ここで慎也の手当てを続けてほしいの」
「幸子、お前さん…」
「朱ちゃんは私が追いかけます」
決意して立ち上がろうとするも、誰かに手を掴まれ阻まれてしまう。
「慎也…!?」
意識を取り戻した狡噛だった。
玉のような汗を額に浮かべながら 苦しげに、しかし真に迫るまなざしで幸子を見ていた。
「幸子…行くな……」
「大丈夫。深追いはしないよ。朱ちゃんと船原さんを連れてすぐに戻るから」
心配かけまいと明るく言うが、大怪我をしている人間とは思えない力で 狡噛は幸子の腕を掴んで離さない。
「お、おい。コウ!?」
「……俺も…一緒に……」
征陸が止めるのも聞かずに上体を起こそうとする狡噛に顔を寄せ、不意にその唇を奪った。
狡噛の力が一瞬緩んだ隙にするりと手を離すと、驚き 目を丸くしている狡噛に微笑んだ。
「愛してるよ」
立ち上がると、目元に片手をあてて 見なかったふりをしてくれている征陸に言った。
「慎也をお願いします」
そうして振り切って駆け出した。
「そういえば…朱ちゃんは何処に!?」
「お嬢ちゃんは一人で先に行っちまった。犯人はもう一人潜んでいるってのに」
「!!」
まだ事件は終わっていないのだ。
犯人を単独で追う常守は、非常に危険な状態にいる。早く加勢にいかなくては。
動揺する幸子を見ながら、征陸はハンカチで手を拭き立ち上がった。
「幸子。コウの応急措置の続きを頼む」
「智己おじさんは!?」
「お嬢ちゃんを追う。どうも嫌な予感がしてなんねーんだ」
征陸が床に置かれたドミネーターを拾い上げようとするのを見て、それから重体の狡噛に目をやった。
狡噛の傷は相当に深い。適切な措置を取れるかが重要になってくるだろう。
ならば道はひとつだ。
幸子は征陸を制して自分のドミネーターを構え直した。
「智己おじさんは慎也をお願いします」
「幸子…?」
「応急措置なら智己おじさんの方が手慣れてます。だからおじさんには ここで慎也の手当てを続けてほしいの」
「幸子、お前さん…」
「朱ちゃんは私が追いかけます」
決意して立ち上がろうとするも、誰かに手を掴まれ阻まれてしまう。
「慎也…!?」
意識を取り戻した狡噛だった。
玉のような汗を額に浮かべながら 苦しげに、しかし真に迫るまなざしで幸子を見ていた。
「幸子…行くな……」
「大丈夫。深追いはしないよ。朱ちゃんと船原さんを連れてすぐに戻るから」
心配かけまいと明るく言うが、大怪我をしている人間とは思えない力で 狡噛は幸子の腕を掴んで離さない。
「お、おい。コウ!?」
「……俺も…一緒に……」
征陸が止めるのも聞かずに上体を起こそうとする狡噛に顔を寄せ、不意にその唇を奪った。
狡噛の力が一瞬緩んだ隙にするりと手を離すと、驚き 目を丸くしている狡噛に微笑んだ。
「愛してるよ」
立ち上がると、目元に片手をあてて 見なかったふりをしてくれている征陸に言った。
「慎也をお願いします」
そうして振り切って駆け出した。