#18 解放と拘束
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来た道を一旦戻り、常守と征陸が向かった通路をひた走る。
コード108などただ事ではない。
狡噛の緊迫した声が全てを物語っていた。
あんなにも余裕のない狡噛の声を聞くのはあの時以来だ。
『ハウンド4が…佐々山が見つからない…。どうなってる!?』
運命を変えてしまったあの事件――‥
(慎也、お願い……無事でいて…!!)
どれくらい走っただろう。
息があがり出した頃、揺れる視界に見慣れた背中が飛び込んできた。
あれは――征陸だ!!
「智己おじさん!!」
「!!? 幸子か!?」
「良かった、無事で…っ、!!?」
安堵した幸子は、征陸の手が血塗られているのに気づいた。
よく見れば 屈み込む征陸の前に誰かが横たわっている。幸子の顔から血の気が引いた。
「慎也ぁっ!!!」
半狂乱で駆け寄り、征陸の隣に膝をついた。
恐れていた最悪の事態。
「落ち着け幸子。コウの傷に障る」
「……っ」
震える両手を口元に充て 幸子は頷いた。
「心配ねぇさ」
励ますようにニッと笑い 征陸は応急措置を続けた。
狡噛はあちこちを撃たれており、傷口に充てられたガーゼには血が滲んでいる。輸血しているからには 出血は相当酷いのだろう。
「う……」
狡噛は多量の出血で意識が朦朧としているようだ。時折眉を潜めて苦しそうな呻き声を洩らす。
「慎也……!」
絞り出すような声で呼び、そっとその手に触れる。もう片方の指先で、零れそうになった涙を拭った。
どうか、どうか慎也が大事ありませんように…。
コード108などただ事ではない。
狡噛の緊迫した声が全てを物語っていた。
あんなにも余裕のない狡噛の声を聞くのはあの時以来だ。
『ハウンド4が…佐々山が見つからない…。どうなってる!?』
運命を変えてしまったあの事件――‥
(慎也、お願い……無事でいて…!!)
どれくらい走っただろう。
息があがり出した頃、揺れる視界に見慣れた背中が飛び込んできた。
あれは――征陸だ!!
「智己おじさん!!」
「!!? 幸子か!?」
「良かった、無事で…っ、!!?」
安堵した幸子は、征陸の手が血塗られているのに気づいた。
よく見れば 屈み込む征陸の前に誰かが横たわっている。幸子の顔から血の気が引いた。
「慎也ぁっ!!!」
半狂乱で駆け寄り、征陸の隣に膝をついた。
恐れていた最悪の事態。
「落ち着け幸子。コウの傷に障る」
「……っ」
震える両手を口元に充て 幸子は頷いた。
「心配ねぇさ」
励ますようにニッと笑い 征陸は応急措置を続けた。
狡噛はあちこちを撃たれており、傷口に充てられたガーゼには血が滲んでいる。輸血しているからには 出血は相当酷いのだろう。
「う……」
狡噛は多量の出血で意識が朦朧としているようだ。時折眉を潜めて苦しそうな呻き声を洩らす。
「慎也……!」
絞り出すような声で呼び、そっとその手に触れる。もう片方の指先で、零れそうになった涙を拭った。
どうか、どうか慎也が大事ありませんように…。