#16 宜野座の激昂
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公安局刑事課 会議室。
そこで一係による捜査会議がおこなわれていた。
雑賀を訪ねるという狡噛を見送った幸子が捜査資料を手に部屋へ現れた時には、宜野座 征陸 縢 六合塚がこぞってホログラムモニターを眺めていた。
幸子もホロモニターを覗き込む。映っていたのは見知らぬ白髪男性であった。
「これが『マキシマ』?」
――にはお世辞にも見えない。
あの事件といい、今回の事件といい、この白髪男性があれだけ巧妙な犯罪を起こせるとは思えないからだ。
「いや、違う」
ホロモニターから顔をあげた宜野座が首を横に振る。
「彼の名前は『柴田幸盛』――かつては教壇に立ち美術を教えていたが、現在は介護施設で余生を送る罪のない老人だ」
「柴田……!?」
その名にハッとした。
確かに桜霜学園には柴田という美術教師がいた。しかし幸子の知る柴田は老人ではない。
もっと若い…幸子と然程歳の変わらぬ男だった。
(この人が…柴田…幸盛!? どういうことなの…?!!)
動揺する幸子の様子に宜野座は眉を寄せた。
「木梨…?」
「う、ううん。なんでもない。でも 桜霜学園の美術教師のはずの柴田幸盛が、介護施設で暮らしているということは…」
「『マキシマ』が柴田に成り済まし桜霜学園に潜入していた可能性が高いということだ」
「!!!」
柴田が……『マキシマ』――!!?
幸子は震える唇をぎゅっと噛み締めた。
彼女の様子に気づかず、宜野座はキーボードを操作してもうひとつホロモニターを表示させた。
「そしてこいつが同僚教師や生徒達の証言から作られた『マキシマ』のモンタージュ写真だ」
冴えない中年男が写っている。
(違う…。柴田幸盛は……『マキシマ』はこんな人物じゃない)
「これなら佐々山の撮ったピンボケの方が まだマシじゃねえか」
征陸は困ったように頭をカリカリと掻いた。
結局幸子は柴田と接触していた事を話さなかった。
決して彼に情が移った訳ではない。
話してしまったら……何かが変わってしまう気がして言い出せなかった。
(慎也…)
目を閉じ、そっと恋人を想った。
そこで一係による捜査会議がおこなわれていた。
雑賀を訪ねるという狡噛を見送った幸子が捜査資料を手に部屋へ現れた時には、宜野座 征陸 縢 六合塚がこぞってホログラムモニターを眺めていた。
幸子もホロモニターを覗き込む。映っていたのは見知らぬ白髪男性であった。
「これが『マキシマ』?」
――にはお世辞にも見えない。
あの事件といい、今回の事件といい、この白髪男性があれだけ巧妙な犯罪を起こせるとは思えないからだ。
「いや、違う」
ホロモニターから顔をあげた宜野座が首を横に振る。
「彼の名前は『柴田幸盛』――かつては教壇に立ち美術を教えていたが、現在は介護施設で余生を送る罪のない老人だ」
「柴田……!?」
その名にハッとした。
確かに桜霜学園には柴田という美術教師がいた。しかし幸子の知る柴田は老人ではない。
もっと若い…幸子と然程歳の変わらぬ男だった。
(この人が…柴田…幸盛!? どういうことなの…?!!)
動揺する幸子の様子に宜野座は眉を寄せた。
「木梨…?」
「う、ううん。なんでもない。でも 桜霜学園の美術教師のはずの柴田幸盛が、介護施設で暮らしているということは…」
「『マキシマ』が柴田に成り済まし桜霜学園に潜入していた可能性が高いということだ」
「!!!」
柴田が……『マキシマ』――!!?
幸子は震える唇をぎゅっと噛み締めた。
彼女の様子に気づかず、宜野座はキーボードを操作してもうひとつホロモニターを表示させた。
「そしてこいつが同僚教師や生徒達の証言から作られた『マキシマ』のモンタージュ写真だ」
冴えない中年男が写っている。
(違う…。柴田幸盛は……『マキシマ』はこんな人物じゃない)
「これなら佐々山の撮ったピンボケの方が まだマシじゃねえか」
征陸は困ったように頭をカリカリと掻いた。
結局幸子は柴田と接触していた事を話さなかった。
決して彼に情が移った訳ではない。
話してしまったら……何かが変わってしまう気がして言い出せなかった。
(慎也…)
目を閉じ、そっと恋人を想った。