#15 監視官と執行官の狭間
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公安局の駐車場で覆面パトカーを降りた2人を幸子が出迎えてくれた。
「慎也、朱ちゃん。おかえりなさい」
「ただいま、幸子さん!!」
嬉しそうにパタパタと駆け寄る常守。
いつもはスーツ姿の幸子だが、仕事明けの今は私服である。淡い藤色のワンピースに白のジャケットと同じ色のウェッジソールが、やけに新鮮に映った。
「幸子さん素敵!」
「ふふ…ありがとう。朱ちゃんも可愛いよ。その服、すごく似合ってる。ねっ、慎也」
「ああ、そうだな」
常守の後からゆっくり歩いてきた狡噛に同意を求めると、縦に頷いた。
思わず頬を染める。元監視官の先輩2人から褒められると、なんだか気恥ずかしい。
「雑賀先生の講義はどうだった?」
「あんな講義初めて。すごく良い経験が出来たよ」
「うんっ、それなら良かった」
と幸子が微笑む。
人懐っこい、太陽のように温かい笑顔だなと常守は思った。
「今日は助かった。礼を言う」
「…いえ。私にとっても充分実になりましたから」
いつの間にか幸子の隣に立っていた狡噛に返すと、3人の間に僅かな静寂が流れた。
その空気で常守は悟る。幸子は狡噛の帰りを待っていたのだと。
「じゃあ私はこれで。明日はまた 通常捜査という事で…」
「ああ」
「お疲れさま。ゆっくり休んでね」
2人に別れを告げ、一人自動ドアを潜る。
上階に上がるエレベーターが来るのを待つ間 ちらりと後ろを振り返ると、自動ドアの向こうで抱き合う男女の姿が目に入った。
「っ……!」
悪いと思いつつ、その光景から目を離せずにいると、やがて抱擁を解いた2人は歩き出した。
おそらく幸子の車で何処かへ出かけるのだろう。
狡噛の腕に自分の腕を絡めた幸子の横顔がとても幸せそうで――
常守はなんともいえない複雑な気持ちでその表情を眺めていた。
「慎也、朱ちゃん。おかえりなさい」
「ただいま、幸子さん!!」
嬉しそうにパタパタと駆け寄る常守。
いつもはスーツ姿の幸子だが、仕事明けの今は私服である。淡い藤色のワンピースに白のジャケットと同じ色のウェッジソールが、やけに新鮮に映った。
「幸子さん素敵!」
「ふふ…ありがとう。朱ちゃんも可愛いよ。その服、すごく似合ってる。ねっ、慎也」
「ああ、そうだな」
常守の後からゆっくり歩いてきた狡噛に同意を求めると、縦に頷いた。
思わず頬を染める。元監視官の先輩2人から褒められると、なんだか気恥ずかしい。
「雑賀先生の講義はどうだった?」
「あんな講義初めて。すごく良い経験が出来たよ」
「うんっ、それなら良かった」
と幸子が微笑む。
人懐っこい、太陽のように温かい笑顔だなと常守は思った。
「今日は助かった。礼を言う」
「…いえ。私にとっても充分実になりましたから」
いつの間にか幸子の隣に立っていた狡噛に返すと、3人の間に僅かな静寂が流れた。
その空気で常守は悟る。幸子は狡噛の帰りを待っていたのだと。
「じゃあ私はこれで。明日はまた 通常捜査という事で…」
「ああ」
「お疲れさま。ゆっくり休んでね」
2人に別れを告げ、一人自動ドアを潜る。
上階に上がるエレベーターが来るのを待つ間 ちらりと後ろを振り返ると、自動ドアの向こうで抱き合う男女の姿が目に入った。
「っ……!」
悪いと思いつつ、その光景から目を離せずにいると、やがて抱擁を解いた2人は歩き出した。
おそらく幸子の車で何処かへ出かけるのだろう。
狡噛の腕に自分の腕を絡めた幸子の横顔がとても幸せそうで――
常守はなんともいえない複雑な気持ちでその表情を眺めていた。