#14 特別執行官
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「ゆ……木梨監視官!?」
内容が衝撃的すぎたようで宜野座は明らかに動揺している。対する禾生は僅かに眉を動かしただけで、静かに問うてきた。
「執行官では出世は望めんぞ?」
「承知しています」
「いつまた潜在犯堕ちするとも限らんが?」
「……覚悟の上です」
はっきりと言い切る幸子の真っ直ぐな瞳を 探るように見つめていた禾生だったが、両手を解き体を深く椅子に預けた。
「ならば単刀直入に聞こう。潜在犯ではない君があえて執行官を希望する理由はなんだね?」
作り話で欺ける相手ではない。幸子は本心をそのまま告げた。
「狡噛慎也執行官と共にある為です」
「狡噛…? 監視官から執行官に降格された男か」
禾生は深く考える。
狡噛慎也が潜在犯堕ちした二週間後に、木梨幸子は潜在犯堕ちし…狡噛慎也が執行官になったその日に木梨幸子のサイコパスは回復した。
一人の男によって、色相が左右される女。
「なるほど。…面白いな」
ニヤリと笑い幸子に言い渡した。
「よかろう。本日この場で君を『特別執行官』に任命する」
「特別…執行官!?」
「監視官ほどの権限はないが、ほぼ同等の権利と自由を君に与えよう」
思ってもなかった好条件。
何より…これで狡噛の傍にいられる。
幸子は深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
「木梨君、君には期待している。好意を無駄にしないよう励んでくれ」
「はい!」
「禾生局長!?」
「宜野座君、君もだ。期待している。これからも頼んだぞ」
「は……はい」
局長にそう言われては、宜野座は従うしかなかった。
一係オフィスにて。
征陸や六合塚は幸子の復職を心から喜んでくれた。
…無論、狡噛も。
「よろしく頼む。監視官」
「監視官じゃないよ。私の役職は『特別執行官』」
「特別…執行官?」
狡噛は眉を潜めて幸子の言葉を繰り返した。うんっ、と頷く幸子。
「私は私のやり方で、私の正義を貫く」
自ら執行官に身を置いたペールアイリスには、一切の濁りがなかった。
内容が衝撃的すぎたようで宜野座は明らかに動揺している。対する禾生は僅かに眉を動かしただけで、静かに問うてきた。
「執行官では出世は望めんぞ?」
「承知しています」
「いつまた潜在犯堕ちするとも限らんが?」
「……覚悟の上です」
はっきりと言い切る幸子の真っ直ぐな瞳を 探るように見つめていた禾生だったが、両手を解き体を深く椅子に預けた。
「ならば単刀直入に聞こう。潜在犯ではない君があえて執行官を希望する理由はなんだね?」
作り話で欺ける相手ではない。幸子は本心をそのまま告げた。
「狡噛慎也執行官と共にある為です」
「狡噛…? 監視官から執行官に降格された男か」
禾生は深く考える。
狡噛慎也が潜在犯堕ちした二週間後に、木梨幸子は潜在犯堕ちし…狡噛慎也が執行官になったその日に木梨幸子のサイコパスは回復した。
一人の男によって、色相が左右される女。
「なるほど。…面白いな」
ニヤリと笑い幸子に言い渡した。
「よかろう。本日この場で君を『特別執行官』に任命する」
「特別…執行官!?」
「監視官ほどの権限はないが、ほぼ同等の権利と自由を君に与えよう」
思ってもなかった好条件。
何より…これで狡噛の傍にいられる。
幸子は深く頭を下げた。
「ありがとうございます」
「木梨君、君には期待している。好意を無駄にしないよう励んでくれ」
「はい!」
「禾生局長!?」
「宜野座君、君もだ。期待している。これからも頼んだぞ」
「は……はい」
局長にそう言われては、宜野座は従うしかなかった。
一係オフィスにて。
征陸や六合塚は幸子の復職を心から喜んでくれた。
…無論、狡噛も。
「よろしく頼む。監視官」
「監視官じゃないよ。私の役職は『特別執行官』」
「特別…執行官?」
狡噛は眉を潜めて幸子の言葉を繰り返した。うんっ、と頷く幸子。
「私は私のやり方で、私の正義を貫く」
自ら執行官に身を置いたペールアイリスには、一切の濁りがなかった。