#14 特別執行官
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ここに来てから何日が過ぎたのだろう。
幸子はベッドに力なく横たわりながらぼんやりと思った。
自宅のサイコパス測定器で偶然測定された犯罪係数。100を越えたそれは更に上昇し、医療センター行きが決まった。
愛する人を守る為にした幸子の"覚悟"。
これはその代償。当然の結果だ。ただ――
「慎也…」
愛しいその名を呟くと同時に瞳から涙が零れた。
今この時も、狡噛が苦しんでいる事実が辛い。
自分で代わりになるなら代わりたい。
狡噛の抱える痛みを、拭ってあげたい。全て。
「幸子!」
呼びかけられた声は、聞きたいと焦がれていた声。ハッと上体を起こし振り返ると…
「――!」
これは 夢?
そこには硝子扉に両手を押しつけ こちらを見る狡噛の姿。背後には宜野座もいる。
「しん…や…!?」
「幸子!!!」
「慎也ぁっ!」
ベッドから飛び降りると転びそうになりながら扉前に駆け寄った。
硝子扉につけられた狡噛の大きな手のひらに 自分の手のひらをあわせるように置く。
一ヶ月ぶりの再会は硝子腰の再会になった。
「良かった…。色相が戻ったんだね」
「いや、そうじゃない。今日付けで執行官になったんだ」
一ヶ月前まで公安局のエリートだったのだ。執行官の適性があっても不思議はない。
「逢いたかった…。逢いたかったよ……慎也」
「ああ。俺もだ。突然いなくなってすまない」
詫びの言葉を入れれば、幸子は泣きながらぶんぶんと首を横に振った。
「……」
愛する2人の再会を遠巻きに見守っていた宜野座は、眉を潜めて視線を外した。
胃の辺りに鉛が流し込まれたような不快感。自覚したくなくて、ふいと硝子扉に表示されたサイコパスに目をやる。
「お、おい!!」
そして目を見開きながら思わず声をあげた。
「幸子のサイコパスが……!」
「!!?」
狡噛は僅かに顔を離して硝子扉のそれを見た。
表示されているサイコパスの犯罪係数は18。色相はペールアイリス。
それは普段の幸子のサイコパスだった。
その瞬間。ピッと音がしてドアロックが解除された。潜在犯を隔離する医療センターでは、健全なサイコパスを持つ人を隔離してはおけないのだ。
「幸子!」
「慎也ぁ!!」
硝子扉を開き、その温もりを確かめるように 狡噛は幸子を強く抱きしめた。背の低い幸子は すがりつくように ぎゅっと狡噛の首に両腕を絡める。
「一緒にいたい…」
「当然だ。傍にいてくれ」
「うん……っ」
しっかりと頷いた。
幸子はベッドに力なく横たわりながらぼんやりと思った。
自宅のサイコパス測定器で偶然測定された犯罪係数。100を越えたそれは更に上昇し、医療センター行きが決まった。
愛する人を守る為にした幸子の"覚悟"。
これはその代償。当然の結果だ。ただ――
「慎也…」
愛しいその名を呟くと同時に瞳から涙が零れた。
今この時も、狡噛が苦しんでいる事実が辛い。
自分で代わりになるなら代わりたい。
狡噛の抱える痛みを、拭ってあげたい。全て。
「幸子!」
呼びかけられた声は、聞きたいと焦がれていた声。ハッと上体を起こし振り返ると…
「――!」
これは 夢?
そこには硝子扉に両手を押しつけ こちらを見る狡噛の姿。背後には宜野座もいる。
「しん…や…!?」
「幸子!!!」
「慎也ぁっ!」
ベッドから飛び降りると転びそうになりながら扉前に駆け寄った。
硝子扉につけられた狡噛の大きな手のひらに 自分の手のひらをあわせるように置く。
一ヶ月ぶりの再会は硝子腰の再会になった。
「良かった…。色相が戻ったんだね」
「いや、そうじゃない。今日付けで執行官になったんだ」
一ヶ月前まで公安局のエリートだったのだ。執行官の適性があっても不思議はない。
「逢いたかった…。逢いたかったよ……慎也」
「ああ。俺もだ。突然いなくなってすまない」
詫びの言葉を入れれば、幸子は泣きながらぶんぶんと首を横に振った。
「……」
愛する2人の再会を遠巻きに見守っていた宜野座は、眉を潜めて視線を外した。
胃の辺りに鉛が流し込まれたような不快感。自覚したくなくて、ふいと硝子扉に表示されたサイコパスに目をやる。
「お、おい!!」
そして目を見開きながら思わず声をあげた。
「幸子のサイコパスが……!」
「!!?」
狡噛は僅かに顔を離して硝子扉のそれを見た。
表示されているサイコパスの犯罪係数は18。色相はペールアイリス。
それは普段の幸子のサイコパスだった。
その瞬間。ピッと音がしてドアロックが解除された。潜在犯を隔離する医療センターでは、健全なサイコパスを持つ人を隔離してはおけないのだ。
「幸子!」
「慎也ぁ!!」
硝子扉を開き、その温もりを確かめるように 狡噛は幸子を強く抱きしめた。背の低い幸子は すがりつくように ぎゅっと狡噛の首に両腕を絡める。
「一緒にいたい…」
「当然だ。傍にいてくれ」
「うん……っ」
しっかりと頷いた。