#14 特別執行官
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
執行官の外出には監視官の同伴が必要不可欠だ。
狡噛は 直ぐ様 宜野座に外出申請をし、医療センターへと向かった。幸子の事だからか、宜野座は何も言わず同伴に応じてくれた。
「お前が公安局を退局してすぐだ。幸子の様子がおかしくなったのは」
医療センターに向かう車中で 宜野座は狡噛の知らない空白の一ヶ月を話してくれた。
「おかしくなった…?」
「いつも何処か心ここに在らずといった状態で、仕事でのミスが多くなった。…逆上した犯人の手で命を落としかけた時もある」
「なんだと!?」
狡噛が興奮して助手席から身を乗り出すと、宜野座は落ち着けと言わんばかりにジロリと横目で睨みつけてきた。
「あくまで未遂だ。六合塚が事前に防いだ」
「……そうか」
己のいない所で幸子が危険な目に合い、守ってやれなかった自責の念が胸を満たした。
「そのすぐ後だ。幸子のサイコパスが徐々に濁り始めたのは」
宜野座は運転をオートに切り替え ハンドルから手を放し、ふぅと息を吐いた。
「いや、もしかしたら幸子のサイコパスは もっと前から悪化していたのかもしれない…」
「定期検診では異常なかったんだろ?」
「犯罪係数:29。色相判定:アイリス。監視官として模範的、理想的なサイコパスだ」
そこまで彼女の色相を急激に濁らせた要因は……自惚れではなく…。
「俺…なのか?」
「……」
宜野座は答えなかった。正面を向いているが、景色を眺めているように感じられなかった。
医療センターに到着するやいなや、狡噛と宜野座は幸子のいる部屋に直行した。
狡噛にとって見慣れた部屋の前をいくつか通りすぎ、目的の場所を見つけた。
硝子扉に表示されたサイコパス。
色相は濃紫のマルベリー。
犯罪係数は127。
硝子扉の向こうに見えるベッドに横たわる見慣れた背中は――
「幸子!」
狡噛は反射的に硝子扉に近寄り、両手を扉に押しつけ叫んだ。
狡噛は 直ぐ様 宜野座に外出申請をし、医療センターへと向かった。幸子の事だからか、宜野座は何も言わず同伴に応じてくれた。
「お前が公安局を退局してすぐだ。幸子の様子がおかしくなったのは」
医療センターに向かう車中で 宜野座は狡噛の知らない空白の一ヶ月を話してくれた。
「おかしくなった…?」
「いつも何処か心ここに在らずといった状態で、仕事でのミスが多くなった。…逆上した犯人の手で命を落としかけた時もある」
「なんだと!?」
狡噛が興奮して助手席から身を乗り出すと、宜野座は落ち着けと言わんばかりにジロリと横目で睨みつけてきた。
「あくまで未遂だ。六合塚が事前に防いだ」
「……そうか」
己のいない所で幸子が危険な目に合い、守ってやれなかった自責の念が胸を満たした。
「そのすぐ後だ。幸子のサイコパスが徐々に濁り始めたのは」
宜野座は運転をオートに切り替え ハンドルから手を放し、ふぅと息を吐いた。
「いや、もしかしたら幸子のサイコパスは もっと前から悪化していたのかもしれない…」
「定期検診では異常なかったんだろ?」
「犯罪係数:29。色相判定:アイリス。監視官として模範的、理想的なサイコパスだ」
そこまで彼女の色相を急激に濁らせた要因は……自惚れではなく…。
「俺…なのか?」
「……」
宜野座は答えなかった。正面を向いているが、景色を眺めているように感じられなかった。
医療センターに到着するやいなや、狡噛と宜野座は幸子のいる部屋に直行した。
狡噛にとって見慣れた部屋の前をいくつか通りすぎ、目的の場所を見つけた。
硝子扉に表示されたサイコパス。
色相は濃紫のマルベリー。
犯罪係数は127。
硝子扉の向こうに見えるベッドに横たわる見慣れた背中は――
「幸子!」
狡噛は反射的に硝子扉に近寄り、両手を扉に押しつけ叫んだ。