#13 ペールアイリスの涙
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「……心配かけてごめんね」
「いや、俺の方こそ……すまなかった。お前を食事に誘おうと思ったら連絡が取れなかったから、つい」
ふいと幸子から視線を逸らす。
視界の隅に幸子が弱々しく微笑むのが見えた。
「そっか。ありがとう、伸元」
「……礼を言われる筋合いはないぞ」
「だって、元気づけに来てくれたんでしょ」
「……」
宜野座は応えなかった。
代わりに小さなローテーブルの上に置かれたサイコパスの携帯測定器を無造作に取り上げる。
電源を入れて測定スイッチを押せば、すぐに宜野座の現在の色相と係数が表示された。
『色相判定:azure blue(アジュールブルー) 犯罪係数:58』
狡噛の潜在犯堕ちは、宜野座のサイコパスにも少なからず影響を与えていた。
無理もない。学生時代からの馴染みである。
苦楽を共にしてきた仲間であり友。信頼する唯一無二の相棒…だった。
『早いとこ手を打たねえと、幸子のサイコパス……取り返しのつかない事になるぞ』
征陸の言葉が耳に甦った。
そんな事、あの男に言われるまでもない。
分かってる。分かってるんだ。
幸子の気持ちも。
己の気持ちも。
どうにもならない現実も。
何もかも。
「……ッ、もう考えるな!!」
叫びにも似た声が宜野座の口から飛び出した。
「いや、俺の方こそ……すまなかった。お前を食事に誘おうと思ったら連絡が取れなかったから、つい」
ふいと幸子から視線を逸らす。
視界の隅に幸子が弱々しく微笑むのが見えた。
「そっか。ありがとう、伸元」
「……礼を言われる筋合いはないぞ」
「だって、元気づけに来てくれたんでしょ」
「……」
宜野座は応えなかった。
代わりに小さなローテーブルの上に置かれたサイコパスの携帯測定器を無造作に取り上げる。
電源を入れて測定スイッチを押せば、すぐに宜野座の現在の色相と係数が表示された。
『色相判定:azure blue(アジュールブルー) 犯罪係数:58』
狡噛の潜在犯堕ちは、宜野座のサイコパスにも少なからず影響を与えていた。
無理もない。学生時代からの馴染みである。
苦楽を共にしてきた仲間であり友。信頼する唯一無二の相棒…だった。
『早いとこ手を打たねえと、幸子のサイコパス……取り返しのつかない事になるぞ』
征陸の言葉が耳に甦った。
そんな事、あの男に言われるまでもない。
分かってる。分かってるんだ。
幸子の気持ちも。
己の気持ちも。
どうにもならない現実も。
何もかも。
「……ッ、もう考えるな!!」
叫びにも似た声が宜野座の口から飛び出した。