#13 ペールアイリスの涙
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
名を呼ばれハッと我に返ると、刃物を携えた犯人が襲いかかってくる所だった。
「!!!」
何か叫びながらスローモーションのように包丁を振り上げる犯人。慌ててドミネーターを構えて照準をあわせようとするも、犯人はすぐそこまで迫っていた。
刺される――!
と 幸子は反射的に身を竦めた。
――が、次の瞬間犯人はエリミネーターの餌食になり肉片へと姿を変えた。
「幸子、大丈夫?」
犯人を撃ったのは執行官の六合塚弥生だった。
冷たい床に横たわる 犯人だったものに まだドミネーターを向けたままの幸子に駆け寄ると、彼女のドミネーターに触れ 銃口を下げさせた。
「今はもう必要ない」
「ごめん…。ありがとう、弥生ちゃん」
笑みを作ろうとするがうまくいかなかった。
六合塚は小さく首を横に振り、労るように幸子の背中を擦る。
「幸子、集中しろ! 現場では命取りになるぞ!!」
足早に2人に近づいてきた宜野座が物凄い剣幕で注意する。幸子を本気で心配しているからこそ、声を荒げてしまうのだ。
「ごめんなさい、伸元」
素直に謝まると、宜野座は神経質そうに眼鏡を上げただけで、それ以上何も言ってはこなかった。
「まあ とにかく…事件は解決したんだ。公安局に戻るとしようぜ、監視官殿」
宜野座と幸子の肩をポンと叩きながら、征陸が上手い具合にあいの手を入れた。
さすがベテラン刑事だ。空気を読むのも対処する術も心得ている。
「行こう、幸子」
「……うん」
六合塚に促されるように幸子はトボトボとパトカーまで歩いていった。
その背を見送る理由(わけ)ありの親子。
「コウの件が相当堪えてるみてーだな」
「……」
宜野座は無言だったが、その表情は険しい。
「早いとこ手を打たねえと、幸子のサイコパス……取り返しのつかない事になるぞ」
「あんたに言われなくても分かってる!」
反射的に声を荒げた宜野座をちらりと見やり、征陸は肩を竦めた。
「分かってて何も出来ねえってのは もどかしいな。なあ……伸元」
「!!!」
何か叫びながらスローモーションのように包丁を振り上げる犯人。慌ててドミネーターを構えて照準をあわせようとするも、犯人はすぐそこまで迫っていた。
刺される――!
と 幸子は反射的に身を竦めた。
――が、次の瞬間犯人はエリミネーターの餌食になり肉片へと姿を変えた。
「幸子、大丈夫?」
犯人を撃ったのは執行官の六合塚弥生だった。
冷たい床に横たわる 犯人だったものに まだドミネーターを向けたままの幸子に駆け寄ると、彼女のドミネーターに触れ 銃口を下げさせた。
「今はもう必要ない」
「ごめん…。ありがとう、弥生ちゃん」
笑みを作ろうとするがうまくいかなかった。
六合塚は小さく首を横に振り、労るように幸子の背中を擦る。
「幸子、集中しろ! 現場では命取りになるぞ!!」
足早に2人に近づいてきた宜野座が物凄い剣幕で注意する。幸子を本気で心配しているからこそ、声を荒げてしまうのだ。
「ごめんなさい、伸元」
素直に謝まると、宜野座は神経質そうに眼鏡を上げただけで、それ以上何も言ってはこなかった。
「まあ とにかく…事件は解決したんだ。公安局に戻るとしようぜ、監視官殿」
宜野座と幸子の肩をポンと叩きながら、征陸が上手い具合にあいの手を入れた。
さすがベテラン刑事だ。空気を読むのも対処する術も心得ている。
「行こう、幸子」
「……うん」
六合塚に促されるように幸子はトボトボとパトカーまで歩いていった。
その背を見送る理由(わけ)ありの親子。
「コウの件が相当堪えてるみてーだな」
「……」
宜野座は無言だったが、その表情は険しい。
「早いとこ手を打たねえと、幸子のサイコパス……取り返しのつかない事になるぞ」
「あんたに言われなくても分かってる!」
反射的に声を荒げた宜野座をちらりと見やり、征陸は肩を竦めた。
「分かってて何も出来ねえってのは もどかしいな。なあ……伸元」