#03 決断の波紋
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刑事課オフィスへの道すがら。
「ねえ、常守監視官は…」
「"監視官"はつけなくていいですよ。刑事としては私の方が皆さんに教えを乞う立場ですから」
「それじゃ調子乗って"朱ちゃん"て呼んじゃおっかな~」
「はい!私も"幸子さん"て呼んでいいですか?」
「うん、もちろん!」
意外に常守はノリがいい。
名前で呼びあってみると、更に親近感が増して距離が近づいた気がした。
「分析室には 志恩さんに新任の挨拶をしに行ってきたの?」
「……いえ、違います」
俯いた常守が突然足を止めた。幸子の足も自然と止まる。
「ん…?」
幸子が覗き込むように常守を見れば、彼女は幾分険しい顔をしていた。
「朱ちゃん…?」
「…実は、唐之杜さんに狡噛さんの容体を聞きに言ったんです」
「……狡噛君?」
「はい…」
頷く常守の顔はどこか苦しそうだった。
「私の判断…間違っていたんでしょうか?」
「……」
それは狡噛をパラライザーで撃った件についてだろうと察しがついた。幸子は黙って常守を見ていたが、やがて口を開く。
「人質に取られていた子の様子は見に行った?」
「はい。…まだ昏睡状態に陥っていました」
「サイコパスの色相はどうだった?」
「昨日に比べたら少しですが良くなっていました」
「そっか。なら それが答えなんじゃないかな」
「えっ…!?」
バッと常守が顔を上げた。
その瞳に柔らかい表情をした幸子が映る。
「当直が明けたら、今 私にしてくれた質問を狡噛君にもしてみるといいよ」
「幸子さん…」
「さっ、早く行こう。遅刻しちゃうよ」
ぽんと促すように常守の肩を叩くと、幸子は再び廊下を歩き出した。
「ねえ、常守監視官は…」
「"監視官"はつけなくていいですよ。刑事としては私の方が皆さんに教えを乞う立場ですから」
「それじゃ調子乗って"朱ちゃん"て呼んじゃおっかな~」
「はい!私も"幸子さん"て呼んでいいですか?」
「うん、もちろん!」
意外に常守はノリがいい。
名前で呼びあってみると、更に親近感が増して距離が近づいた気がした。
「分析室には 志恩さんに新任の挨拶をしに行ってきたの?」
「……いえ、違います」
俯いた常守が突然足を止めた。幸子の足も自然と止まる。
「ん…?」
幸子が覗き込むように常守を見れば、彼女は幾分険しい顔をしていた。
「朱ちゃん…?」
「…実は、唐之杜さんに狡噛さんの容体を聞きに言ったんです」
「……狡噛君?」
「はい…」
頷く常守の顔はどこか苦しそうだった。
「私の判断…間違っていたんでしょうか?」
「……」
それは狡噛をパラライザーで撃った件についてだろうと察しがついた。幸子は黙って常守を見ていたが、やがて口を開く。
「人質に取られていた子の様子は見に行った?」
「はい。…まだ昏睡状態に陥っていました」
「サイコパスの色相はどうだった?」
「昨日に比べたら少しですが良くなっていました」
「そっか。なら それが答えなんじゃないかな」
「えっ…!?」
バッと常守が顔を上げた。
その瞳に柔らかい表情をした幸子が映る。
「当直が明けたら、今 私にしてくれた質問を狡噛君にもしてみるといいよ」
「幸子さん…」
「さっ、早く行こう。遅刻しちゃうよ」
ぽんと促すように常守の肩を叩くと、幸子は再び廊下を歩き出した。