雲鳥の統べる空
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黒曜医院は狭い平屋の病院で、数年前に廃院になって以来建て壊される事もなく廃墟と化していた。今では肝試しにくる若者の姿もなく、黒曜生のたまり場となっている。
そんな小さな病院の元診察室の埃りっぽい床に幸子は座らされていた。身体こそ拘束はされていないが、回りを黒曜の制服に身を包んだ3人の屈強な男たちに取り囲まれている。
「安心しろ。雲雀が来るまでは何もしない」
「来るまでは、な…」
「雲雀の野郎が来たら…ヒャハ。何するかわかんねェけどな」
男たちが下品た笑みを浮かべて幸子の身体をいやらしい目付きで眺めた。
どうして自分がさらわれてきたのか謎が解けた。
要は雲雀を誘き出す餌…。しかしなぜそれが自分なのか解らない。
「あの…私を捕まえても雲雀くんは来ないと思います」
その言葉に男たちは声をあげて笑った。…なにかおかしい事を言っただろうか。
「さすが雲雀の女だな。肝が据わってらぁ」
「ヒャハ。彼女を見捨てたとあっちゃ、それはそれで雲雀の名に傷がついて楽しいだろうな」
彼女?この男たちは何を言っているのだろう。
私が…雲雀くんの彼女?
「私、雲雀くんの彼女じゃありません」
…そうなら嬉しいのに。
「嘘つくんじゃねェ。テメェが雲雀のバイクに乗っているのを目撃したんだ」
「それは遅くなったから送ってもらっただけで…」
「雲雀が遅くなっただけで他人を送るようなタマかよ!?」
「それは……」
彼らはどうあっても自分を雲雀の恋人にしたいらしい。しかもその言葉に妙な説得力があり、幸子は不謹慎にも思わず赤面した。
「まあいい。雲雀の女じゃなかったとしても並中生には変わりねェ」
「雲雀の落とし前はテメェの身体で償ってもらうぜ」
「きゃっ!」
物凄い力で診察台の上に押し倒された。その両手首を拘束されれば、恐怖に身体が固まった。
「やめてっ!!」
「ヒャハハ。いい眺め~」
「本当は雲雀が来てから目の前でやってやろうと思っていたが…最中に現れるのもまた楽しいだろうよ」
怖い。怖くてたまらない。
なのに幸子の中にこの男たちに屈したくないという思いも確かにあった。
「あなたたちは恐喝事件の首謀者?」
「そうさ。雲雀の差し金でやってきた並中生に、仲間が何人病院送りにされちまった事か」
「この落とし前、きっちりつけてもらわないとな」
先にしかけておいて雲雀を憎むなど、とんだ逆恨みだ。
「雲雀くんは、あなたたちになんて負けない!」
その言葉が男たちを逆上させた。
「黙れ!」
パーン、と乾いた音が響き渡り頬がじんじんした。すぐにぶたれたと解る。
「その生意気な口、すぐに叩けなくしてやるよ!」
男の手が幸子のスカートを捲りあげようと動く。
まだファーストキスもした事がないのに…こんな男たちに初めてを奪われるなんて嫌だ!
「やだっ!」
ドガァン!!
幸子の悲鳴をかき消すように大きな音がして、壊されたドアごと黒曜の男が一人、部屋に吹っ飛ばされてきた。
「な、なんだ、何が起きた!?」
「コイツは見張りに立っていたはずの…」
「おい、一体なにが…」
「君たち、そこでなにしてるんだい?」
舞い上がる埃の中に立っていたのは、血塗られたトンファーを構えた雲雀恭弥だった。
そんな小さな病院の元診察室の埃りっぽい床に幸子は座らされていた。身体こそ拘束はされていないが、回りを黒曜の制服に身を包んだ3人の屈強な男たちに取り囲まれている。
「安心しろ。雲雀が来るまでは何もしない」
「来るまでは、な…」
「雲雀の野郎が来たら…ヒャハ。何するかわかんねェけどな」
男たちが下品た笑みを浮かべて幸子の身体をいやらしい目付きで眺めた。
どうして自分がさらわれてきたのか謎が解けた。
要は雲雀を誘き出す餌…。しかしなぜそれが自分なのか解らない。
「あの…私を捕まえても雲雀くんは来ないと思います」
その言葉に男たちは声をあげて笑った。…なにかおかしい事を言っただろうか。
「さすが雲雀の女だな。肝が据わってらぁ」
「ヒャハ。彼女を見捨てたとあっちゃ、それはそれで雲雀の名に傷がついて楽しいだろうな」
彼女?この男たちは何を言っているのだろう。
私が…雲雀くんの彼女?
「私、雲雀くんの彼女じゃありません」
…そうなら嬉しいのに。
「嘘つくんじゃねェ。テメェが雲雀のバイクに乗っているのを目撃したんだ」
「それは遅くなったから送ってもらっただけで…」
「雲雀が遅くなっただけで他人を送るようなタマかよ!?」
「それは……」
彼らはどうあっても自分を雲雀の恋人にしたいらしい。しかもその言葉に妙な説得力があり、幸子は不謹慎にも思わず赤面した。
「まあいい。雲雀の女じゃなかったとしても並中生には変わりねェ」
「雲雀の落とし前はテメェの身体で償ってもらうぜ」
「きゃっ!」
物凄い力で診察台の上に押し倒された。その両手首を拘束されれば、恐怖に身体が固まった。
「やめてっ!!」
「ヒャハハ。いい眺め~」
「本当は雲雀が来てから目の前でやってやろうと思っていたが…最中に現れるのもまた楽しいだろうよ」
怖い。怖くてたまらない。
なのに幸子の中にこの男たちに屈したくないという思いも確かにあった。
「あなたたちは恐喝事件の首謀者?」
「そうさ。雲雀の差し金でやってきた並中生に、仲間が何人病院送りにされちまった事か」
「この落とし前、きっちりつけてもらわないとな」
先にしかけておいて雲雀を憎むなど、とんだ逆恨みだ。
「雲雀くんは、あなたたちになんて負けない!」
その言葉が男たちを逆上させた。
「黙れ!」
パーン、と乾いた音が響き渡り頬がじんじんした。すぐにぶたれたと解る。
「その生意気な口、すぐに叩けなくしてやるよ!」
男の手が幸子のスカートを捲りあげようと動く。
まだファーストキスもした事がないのに…こんな男たちに初めてを奪われるなんて嫌だ!
「やだっ!」
ドガァン!!
幸子の悲鳴をかき消すように大きな音がして、壊されたドアごと黒曜の男が一人、部屋に吹っ飛ばされてきた。
「な、なんだ、何が起きた!?」
「コイツは見張りに立っていたはずの…」
「おい、一体なにが…」
「君たち、そこでなにしてるんだい?」
舞い上がる埃の中に立っていたのは、血塗られたトンファーを構えた雲雀恭弥だった。