雲鳥の統べる空
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数日後 金曜の放課後。
風紀委員の仕事が一段落した雲雀は、伸びをしながら大きな欠伸をした。それから机の隅に置いてあった全委員会名簿をなにげなくパラパラと捲る。
そういえば今日は図書室の開放日だ。
あの数日前に名簿を届けに来た女子…木梨幸子は居るだろうか。
そのコロコロ変わる表情、度胸があるかと思えば抜けていたりもする性格が、見ていて飽きなかった。好奇心とでもいうべきか。そういう意味では興味の引く存在ではある。
雲雀は椅子から立ち上がると校内巡回に出かけた。
―――――‥‥
賑やかな学校にありながら静寂に包まれているという独特の雰囲気を持つ図書室の戸口に立ち、雲雀は室内を見渡した。
数名の生徒が本を探したり読んだりしている。そして図書委員会の本部でもある準備室では、返却された本をチェックしている幸子の姿がガラス張りの受付窓口から確認できた。
しばらく見ていると、チェックを終えた幸子は数冊の本を抱えて準備室から出てきた。そのまま補充すべく本棚へと消える。
それを見届け、雲雀は図書室へと足を踏み入れた。
「!(ええっ!?)」
「!!(あれは風紀委員の雲雀さん!?)」
「!!!(な、なんでこんな所に来てるの!?)」
図書室に現れた雲雀に気づいた利用者達は恐れおののき、次の瞬間にはもう蜘蛛の子を散らすように図書室から退室していた。
誰もいなくなった事など気にも留めず(むしろ群れる草食動物達がいなくて快適だ)、雲雀は幸子が作業をしている本棚へと近づいていった。
幸子は低い脚立に乗って棚の高い所に分厚い本を補充している所だった。
「あと10㎝くらい身長欲しいな…」
背の高い方ではない幸子にとって一番上の棚は高すぎる。爪先立ちをしながら本と本の隙間にゆっくりと分厚い本を戻そうとした。
「もうちょっと…」
更に背を伸ばした時、本の重みによろけた幸子は脚立の上で足を滑らせた。
持っていた分厚い本が手から離れ床に落下するのをスローモーションで見た。
ドサッと分厚い本が床に落ちた音がした。次いでバランスを崩した自分の身体もまた派手な音を立てて床に叩きつけられるのを覚悟した。
しかし幸子の身体に触れたものは硬く冷たい床ではない。
「なにしてんの、君」
柔らかく温かい雲雀の腕が幸子を受け止めていた。
風紀委員の仕事が一段落した雲雀は、伸びをしながら大きな欠伸をした。それから机の隅に置いてあった全委員会名簿をなにげなくパラパラと捲る。
そういえば今日は図書室の開放日だ。
あの数日前に名簿を届けに来た女子…木梨幸子は居るだろうか。
そのコロコロ変わる表情、度胸があるかと思えば抜けていたりもする性格が、見ていて飽きなかった。好奇心とでもいうべきか。そういう意味では興味の引く存在ではある。
雲雀は椅子から立ち上がると校内巡回に出かけた。
―――――‥‥
賑やかな学校にありながら静寂に包まれているという独特の雰囲気を持つ図書室の戸口に立ち、雲雀は室内を見渡した。
数名の生徒が本を探したり読んだりしている。そして図書委員会の本部でもある準備室では、返却された本をチェックしている幸子の姿がガラス張りの受付窓口から確認できた。
しばらく見ていると、チェックを終えた幸子は数冊の本を抱えて準備室から出てきた。そのまま補充すべく本棚へと消える。
それを見届け、雲雀は図書室へと足を踏み入れた。
「!(ええっ!?)」
「!!(あれは風紀委員の雲雀さん!?)」
「!!!(な、なんでこんな所に来てるの!?)」
図書室に現れた雲雀に気づいた利用者達は恐れおののき、次の瞬間にはもう蜘蛛の子を散らすように図書室から退室していた。
誰もいなくなった事など気にも留めず(むしろ群れる草食動物達がいなくて快適だ)、雲雀は幸子が作業をしている本棚へと近づいていった。
幸子は低い脚立に乗って棚の高い所に分厚い本を補充している所だった。
「あと10㎝くらい身長欲しいな…」
背の高い方ではない幸子にとって一番上の棚は高すぎる。爪先立ちをしながら本と本の隙間にゆっくりと分厚い本を戻そうとした。
「もうちょっと…」
更に背を伸ばした時、本の重みによろけた幸子は脚立の上で足を滑らせた。
持っていた分厚い本が手から離れ床に落下するのをスローモーションで見た。
ドサッと分厚い本が床に落ちた音がした。次いでバランスを崩した自分の身体もまた派手な音を立てて床に叩きつけられるのを覚悟した。
しかし幸子の身体に触れたものは硬く冷たい床ではない。
「なにしてんの、君」
柔らかく温かい雲雀の腕が幸子を受け止めていた。