雲鳥の統べる空
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「うちは今学期も図書室ですね」
同日 委員会会議終了後。
図書室に戻ってきた図書委員長から、委員会の部屋割りプリントを受け取った木梨幸子が明るく言った。
「図書委員会だから当たり前って言えば当たり前なんだけど、やっぱり図書室が落ち着きますよねっ」
「……そうだな」
なぜか上の空で息も絶え絶えな図書委員長。
「委員長、大丈夫ですか?何か憂鬱そうですね」
「いや、これから全委員会名簿を提出しに行くと思うと気が重くてさ」
「?」
なぜ提出に行くだけで気が重いのか幸子にはイマイチ理解できなかった。
苦手な教師にでも提出しに行くのだろうか。そんな事を考えながら更にプリントに目を通す。
「へぇ、応接室を使う委員会なんてあるんですね」
「ああ、風紀委員だよ」
「風紀委員…」
確か委員長の『ヒバリ』は風紀委員でありながら、不良の頂点に君臨すると風の噂で聞いた事がある。
なぜ不良である彼が、学校の風紀を取り締まる委員会の長なのかは知らない。それどころか幸子は、雲雀の顔すら知らなかった。
「……(どんな人なんだろう?)」
全校生徒から恐れられる存在 風紀委員長 雲雀。
学年行事でも一度も見かけた記憶がないという事は上級生……?そういえば同じクラスの笹川了平が彼の話題が出た時に『ヒバリ』と呼び捨てにしていた。
上下関係の厳しい運動部に所属する笹川が呼び捨てにしているという事は、やはり同級生の線が濃厚か。
「どうしたんだ木梨?」
「何でもありません。考え事をしてました」
「そうか。…それじゃ俺は名簿を提出に行ってくる。遅れてヒバリさんの機嫌を損ねたら大変だからな」
本当に憂鬱そうな声で図書委員長が言った。
雲雀とはそんなに凶悪な男なのだろうか。逢って自分の目で確かめてみたい。幸子の中に雲雀に対する好奇心が湧いてきた。
「あの、委員長。よろしければ私が名簿届けましょうか?」
「ええっ!? いいのか!? いや、しかし木梨は女子だ。危険な目にあわせる訳には……」
言い淀み葛藤する図書委員長に極力明るい声と表情を向けた。
「大丈夫です。応接室に持っていけばいいんですよね?」
「あ、ああ。それじゃ木梨、よろしく頼むよ」
「はいっ」
「くれぐれも気をつけて」
名簿提出に行くにしては大袈裟な図書委員長の言葉だった。
同日 委員会会議終了後。
図書室に戻ってきた図書委員長から、委員会の部屋割りプリントを受け取った木梨幸子が明るく言った。
「図書委員会だから当たり前って言えば当たり前なんだけど、やっぱり図書室が落ち着きますよねっ」
「……そうだな」
なぜか上の空で息も絶え絶えな図書委員長。
「委員長、大丈夫ですか?何か憂鬱そうですね」
「いや、これから全委員会名簿を提出しに行くと思うと気が重くてさ」
「?」
なぜ提出に行くだけで気が重いのか幸子にはイマイチ理解できなかった。
苦手な教師にでも提出しに行くのだろうか。そんな事を考えながら更にプリントに目を通す。
「へぇ、応接室を使う委員会なんてあるんですね」
「ああ、風紀委員だよ」
「風紀委員…」
確か委員長の『ヒバリ』は風紀委員でありながら、不良の頂点に君臨すると風の噂で聞いた事がある。
なぜ不良である彼が、学校の風紀を取り締まる委員会の長なのかは知らない。それどころか幸子は、雲雀の顔すら知らなかった。
「……(どんな人なんだろう?)」
全校生徒から恐れられる存在 風紀委員長 雲雀。
学年行事でも一度も見かけた記憶がないという事は上級生……?そういえば同じクラスの笹川了平が彼の話題が出た時に『ヒバリ』と呼び捨てにしていた。
上下関係の厳しい運動部に所属する笹川が呼び捨てにしているという事は、やはり同級生の線が濃厚か。
「どうしたんだ木梨?」
「何でもありません。考え事をしてました」
「そうか。…それじゃ俺は名簿を提出に行ってくる。遅れてヒバリさんの機嫌を損ねたら大変だからな」
本当に憂鬱そうな声で図書委員長が言った。
雲雀とはそんなに凶悪な男なのだろうか。逢って自分の目で確かめてみたい。幸子の中に雲雀に対する好奇心が湧いてきた。
「あの、委員長。よろしければ私が名簿届けましょうか?」
「ええっ!? いいのか!? いや、しかし木梨は女子だ。危険な目にあわせる訳には……」
言い淀み葛藤する図書委員長に極力明るい声と表情を向けた。
「大丈夫です。応接室に持っていけばいいんですよね?」
「あ、ああ。それじゃ木梨、よろしく頼むよ」
「はいっ」
「くれぐれも気をつけて」
名簿提出に行くにしては大袈裟な図書委員長の言葉だった。