君は僕のもの
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「恭弥いるか。今日こそ話を聞いてもらうぜ」
姿を現したのはディーノ。
「きゃああぁっ」
第3者の登場にふいをつかれた幸子は慌てふためき、弾かれたように雲雀から離れた。
キスしようとしている現場を目撃されるなど、恥ずかしいにも程がある。
「…またあなたか……」
恥ずかしがっている幸子を見やり、それから出入口に視線を向けて、雲雀が不愉快そうな声を出した。
「悪ぃな。取り込み中だったか」
不機嫌さを露にした雲雀を気にする事もなく、ディーノは幸子を見た。
「恭弥に恋人がいたとは知らなかったぜ」
「あなたには関係ないよ」
「まあ、そう言うなよ。オレはディーノ。恭弥の家庭教師だ」
「勝手な事言わないで」
雲雀の言葉など聞こえていないかのように、ディーノに屈託のない笑顔をむけられた。
感じの良い人だな、と幸子は思った。
「木梨幸子です」
身なりを正して頭をぺこっと下げる。
しかし雲雀に家庭教師がいたなど初耳だ。…当の雲雀は認めていないようではあるが。
「幸子か。良い名前だな」
「気安く呼ぶな」
「き、恭弥!」
幸子が慌ててたしなめた。仮にも家庭教師になんという口の聞き方をしているのだろう。それでも人を「あなた」と呼んでいる雲雀を見るのは初めてで、それなりに敬意は表しているのかもしれない。
「ハハッ。いいじゃねーか。気にすんな」
「………」
雲雀の顔に思いきり『気にする』と書いてあるが…ディーノは華麗にスルーしていた。
「改めてよろしくな。幸子」
「あっ、はい。よろしくお願いします」
ディーノが差し出した手を取ろうと幸子がソファーから立ち上がった。
「おっ、そのままでいいぜ? 今オレがそっちに……っと!!」
応接室の扉が嵌まっている僅かな溝にディーノが思いきり躓いた。そしてそのまま派手にソファーにダイブしてくる。
「っ、きゃっ」
ドサッ
そのままディーノは幸子を押し倒すような形でソファーに倒れた。
「いてて…。なんだか今日はヤケに転ぶな。悪ぃ、幸子。大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です」
ディーノが咄嗟にソファーに手をついて幸子の身体を庇ってくれた為、衝撃や痛みは全くなかったが、この体制は…。よくみると、スカートがかなり際どい所まで捲れ上がっている。
なんというはしたない格好だろう。雲雀には絶対見られたくない。幸子は羞恥に頬を染めた。
「………」
その光景を黙って見ていた雲雀。
今日はなぜか部下を連れていないこの男が、あろう事か己のものを押し倒し、その上にのしかかっている。しかも幸子の頬には、まんざらでもないというようにほんのり赤みが差しているではないか。
怒り。
嫉妬。
そして独占欲。
負の感情がぐるぐると雲雀の中に渦巻いていた。
「本当にすまねーな」
「い、いいえ」
ディーノに手を貸りて上体を起こすと、幸子は直ぐに捲れ上がったスカートを直した。
そこで幸子は雲雀の様子がおかしい事に気付く。
普段ならこのようなアクシデントには真っ先に反応する雲雀が、今日は何の行動も起こさない。何も言わない。
「恭弥…?」
「……帰る」
「えっ、だ、だって、ディーノさんは…?」
幸子の言葉など聞こえていないとでもいうように、雲雀はつかつかと応接室の出入口に歩いて行く。
「待って、恭弥!」
「…そんなにその男が気になるなら、君が相手をしてやればいい」
吐き捨てるように冷たく告げると、雲雀は学ランを翻して去っていった。
姿を現したのはディーノ。
「きゃああぁっ」
第3者の登場にふいをつかれた幸子は慌てふためき、弾かれたように雲雀から離れた。
キスしようとしている現場を目撃されるなど、恥ずかしいにも程がある。
「…またあなたか……」
恥ずかしがっている幸子を見やり、それから出入口に視線を向けて、雲雀が不愉快そうな声を出した。
「悪ぃな。取り込み中だったか」
不機嫌さを露にした雲雀を気にする事もなく、ディーノは幸子を見た。
「恭弥に恋人がいたとは知らなかったぜ」
「あなたには関係ないよ」
「まあ、そう言うなよ。オレはディーノ。恭弥の家庭教師だ」
「勝手な事言わないで」
雲雀の言葉など聞こえていないかのように、ディーノに屈託のない笑顔をむけられた。
感じの良い人だな、と幸子は思った。
「木梨幸子です」
身なりを正して頭をぺこっと下げる。
しかし雲雀に家庭教師がいたなど初耳だ。…当の雲雀は認めていないようではあるが。
「幸子か。良い名前だな」
「気安く呼ぶな」
「き、恭弥!」
幸子が慌ててたしなめた。仮にも家庭教師になんという口の聞き方をしているのだろう。それでも人を「あなた」と呼んでいる雲雀を見るのは初めてで、それなりに敬意は表しているのかもしれない。
「ハハッ。いいじゃねーか。気にすんな」
「………」
雲雀の顔に思いきり『気にする』と書いてあるが…ディーノは華麗にスルーしていた。
「改めてよろしくな。幸子」
「あっ、はい。よろしくお願いします」
ディーノが差し出した手を取ろうと幸子がソファーから立ち上がった。
「おっ、そのままでいいぜ? 今オレがそっちに……っと!!」
応接室の扉が嵌まっている僅かな溝にディーノが思いきり躓いた。そしてそのまま派手にソファーにダイブしてくる。
「っ、きゃっ」
ドサッ
そのままディーノは幸子を押し倒すような形でソファーに倒れた。
「いてて…。なんだか今日はヤケに転ぶな。悪ぃ、幸子。大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です」
ディーノが咄嗟にソファーに手をついて幸子の身体を庇ってくれた為、衝撃や痛みは全くなかったが、この体制は…。よくみると、スカートがかなり際どい所まで捲れ上がっている。
なんというはしたない格好だろう。雲雀には絶対見られたくない。幸子は羞恥に頬を染めた。
「………」
その光景を黙って見ていた雲雀。
今日はなぜか部下を連れていないこの男が、あろう事か己のものを押し倒し、その上にのしかかっている。しかも幸子の頬には、まんざらでもないというようにほんのり赤みが差しているではないか。
怒り。
嫉妬。
そして独占欲。
負の感情がぐるぐると雲雀の中に渦巻いていた。
「本当にすまねーな」
「い、いいえ」
ディーノに手を貸りて上体を起こすと、幸子は直ぐに捲れ上がったスカートを直した。
そこで幸子は雲雀の様子がおかしい事に気付く。
普段ならこのようなアクシデントには真っ先に反応する雲雀が、今日は何の行動も起こさない。何も言わない。
「恭弥…?」
「……帰る」
「えっ、だ、だって、ディーノさんは…?」
幸子の言葉など聞こえていないとでもいうように、雲雀はつかつかと応接室の出入口に歩いて行く。
「待って、恭弥!」
「…そんなにその男が気になるなら、君が相手をしてやればいい」
吐き捨てるように冷たく告げると、雲雀は学ランを翻して去っていった。