彩虹に輝く
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幸子が行きたいとせがんだ場所。それは――‥
「うわぁ…やっぱり素敵」
未来の雲雀と逢った 並盛神社裏の高台だった。
未来で見た景色と同じ。満天の星空が二人を温かく出迎えてくれた。
「ここ」
「うん、前に恭弥がお花見に連れて来てくれた場所だよっ」
「……っ」
珍しく感動しているのか、雲雀は青灰色の瞳をいつもより大きく開き、黙って星空を見上げていた。
「……いい香りがする」
「金木犀の香りだよ」
つい先程、雲雀から教えてもらった知識を また雲雀に伝えているなんて、不思議な感覚だ。
雲雀は「ふうん」と頷き、また星空に見入っていた。
幸子はそっと雲雀に寄り添う。それに気づき、雲雀は視線を幸子へと移した。
「ね、恭弥。未来の私に逢った?」
「うん、逢ったよ」
「私、何してた?」
幸子は胸にワクワクを持って尋ねた。未来の雲雀にはぐらかされた答えが聞けると期待したのだ。
しかし雲雀の返答は実に意外なもの。
「泣いてたよ」
「泣いてた…?」
「幸せだって、泣いてた」
未来の自分は"泣くほど幸せ"なんだと感じると、熱いものが込み上げてきた。
「恭弥」
「ん…?」
雲雀は相槌を打ち、幸子の次の言葉を待った。
幸子はそっと雲雀と自分の指を絡めると、背伸びをして耳許で囁いた。
「愛してるよ」
踵を地につけ元の位置に戻れば、不意を喰らったような表情の雲雀。その頬が僅かに染まっているのは気のせいか。
「珍しいね」
「ん?」
「幸子が"愛してる"なんて。いつも"好き"って言うのに」
別に勿体ぶっている訳ではい。普段からも愛しているのだ、雲雀を。
ただ"愛"という言葉が気恥ずかしくて"好き"にすり替えているだけのこと。
「いつも心の中では、そう想ってるよ」
幸子の言葉を聞きながら、雲雀は絡めた指…彼女の薬指をすーっと撫でた。
「ふうん。でも、足りないな」
間髪入れずに絡めていた指を引き寄せ、そのまま幸子を抱きしめた。
「恭弥…っ!?」
「ねえ、もっと態度でも示してよ。…幸子」
挑発的な言動とは裏腹に、その声は甘く、優しく。見つめるまなざしは温かい。
これから先もずっと、そんなあなたに魅了されていくんだと思うと、やはり涙が出るほど幸せだ。
時が流れても、変わらない景色と――想いを重ねて。
「うわぁ…やっぱり素敵」
未来の雲雀と逢った 並盛神社裏の高台だった。
未来で見た景色と同じ。満天の星空が二人を温かく出迎えてくれた。
「ここ」
「うん、前に恭弥がお花見に連れて来てくれた場所だよっ」
「……っ」
珍しく感動しているのか、雲雀は青灰色の瞳をいつもより大きく開き、黙って星空を見上げていた。
「……いい香りがする」
「金木犀の香りだよ」
つい先程、雲雀から教えてもらった知識を また雲雀に伝えているなんて、不思議な感覚だ。
雲雀は「ふうん」と頷き、また星空に見入っていた。
幸子はそっと雲雀に寄り添う。それに気づき、雲雀は視線を幸子へと移した。
「ね、恭弥。未来の私に逢った?」
「うん、逢ったよ」
「私、何してた?」
幸子は胸にワクワクを持って尋ねた。未来の雲雀にはぐらかされた答えが聞けると期待したのだ。
しかし雲雀の返答は実に意外なもの。
「泣いてたよ」
「泣いてた…?」
「幸せだって、泣いてた」
未来の自分は"泣くほど幸せ"なんだと感じると、熱いものが込み上げてきた。
「恭弥」
「ん…?」
雲雀は相槌を打ち、幸子の次の言葉を待った。
幸子はそっと雲雀と自分の指を絡めると、背伸びをして耳許で囁いた。
「愛してるよ」
踵を地につけ元の位置に戻れば、不意を喰らったような表情の雲雀。その頬が僅かに染まっているのは気のせいか。
「珍しいね」
「ん?」
「幸子が"愛してる"なんて。いつも"好き"って言うのに」
別に勿体ぶっている訳ではい。普段からも愛しているのだ、雲雀を。
ただ"愛"という言葉が気恥ずかしくて"好き"にすり替えているだけのこと。
「いつも心の中では、そう想ってるよ」
幸子の言葉を聞きながら、雲雀は絡めた指…彼女の薬指をすーっと撫でた。
「ふうん。でも、足りないな」
間髪入れずに絡めていた指を引き寄せ、そのまま幸子を抱きしめた。
「恭弥…っ!?」
「ねえ、もっと態度でも示してよ。…幸子」
挑発的な言動とは裏腹に、その声は甘く、優しく。見つめるまなざしは温かい。
これから先もずっと、そんなあなたに魅了されていくんだと思うと、やはり涙が出るほど幸せだ。
時が流れても、変わらない景色と――想いを重ねて。