彩虹に輝く
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既に陽は完全に暮れ、墨を流したような深い闇が辺りを支配していた。
「月がキレイ…」
生い茂った木々の間から見える空。浮かび上がる白い月を見上げながらうっとりする幸子の腕が、ぐいと引かれた。
「上ばかり見てると怪我するよ」
「あっ、うん。ごめんなさい」
幸子の手を引きながら少しだけ前を歩く雲雀が、ちらりと横目で見る。
公平なくじ引きの結果、雲雀と幸子はペアになった。…2人の絆が導いた結果、と言うべきか。喜ばしい。
肝だめしは、並盛神社の周りの林を一周してくるという簡単なものだった。
月明かりに照らされるだけのそこは、昼間なら鮮やかな紅に彩られ始めている事だろう。
「恭弥、一緒に来てくれてありがとう」
「別にいいよ。それより」
歩幅をあわせ、手は繋いだままで隣に並んだ雲雀が探るような目を向ける。
「今日は怖がってないね」
「えっ?」
「いつもは肝だめしなんてしたら、誰よりも怯えているのに」
雲雀の言う通りなのだ。自慢ではないが、お化けの類いは誰よりも苦手な自信がある。
今夜だって、一人なら先に進めなかっただろう。
「恭弥が隣にいてくれるから…かな。怖くないんだ」
「ふうん」
頷いた雲雀の足が止まれば隣を歩く幸子の足も自然と止まる。
月明かりに照らされた雲雀の端正な顔。青みがかった灰色の瞳は幸子を見つめていた。
「……っ」
2人の間に流れ始める甘い雰囲気。それに水を注すものがあるだろうか。
答えは前方の草むらにあった。
「ランボさん帰るー!」
「おい、待てよランボ!」
鼻水を垂らし、泣きながら走ってくるランボとそれを追いかけてきたペアの山本。
「うるさいよ」
「ぴぎゃっ!」
結果的にランボの行く手を遮るように立ち塞がった雲雀が 不愉快そうに吐き捨てる。その瞬間、ランボはピシッと硬直した。
「おっかないヤツー!ちんじゃえー!!」
そしてパニックになったまま、モジャモジャ頭から10年バズーカを取り出した。
ドオオオン!
「きゃああっ!」
ランボの放つ10年バズーカは雲雀ではなく幸子にあたり、そのまま彼女を飲み込んだ。
「月がキレイ…」
生い茂った木々の間から見える空。浮かび上がる白い月を見上げながらうっとりする幸子の腕が、ぐいと引かれた。
「上ばかり見てると怪我するよ」
「あっ、うん。ごめんなさい」
幸子の手を引きながら少しだけ前を歩く雲雀が、ちらりと横目で見る。
公平なくじ引きの結果、雲雀と幸子はペアになった。…2人の絆が導いた結果、と言うべきか。喜ばしい。
肝だめしは、並盛神社の周りの林を一周してくるという簡単なものだった。
月明かりに照らされるだけのそこは、昼間なら鮮やかな紅に彩られ始めている事だろう。
「恭弥、一緒に来てくれてありがとう」
「別にいいよ。それより」
歩幅をあわせ、手は繋いだままで隣に並んだ雲雀が探るような目を向ける。
「今日は怖がってないね」
「えっ?」
「いつもは肝だめしなんてしたら、誰よりも怯えているのに」
雲雀の言う通りなのだ。自慢ではないが、お化けの類いは誰よりも苦手な自信がある。
今夜だって、一人なら先に進めなかっただろう。
「恭弥が隣にいてくれるから…かな。怖くないんだ」
「ふうん」
頷いた雲雀の足が止まれば隣を歩く幸子の足も自然と止まる。
月明かりに照らされた雲雀の端正な顔。青みがかった灰色の瞳は幸子を見つめていた。
「……っ」
2人の間に流れ始める甘い雰囲気。それに水を注すものがあるだろうか。
答えは前方の草むらにあった。
「ランボさん帰るー!」
「おい、待てよランボ!」
鼻水を垂らし、泣きながら走ってくるランボとそれを追いかけてきたペアの山本。
「うるさいよ」
「ぴぎゃっ!」
結果的にランボの行く手を遮るように立ち塞がった雲雀が 不愉快そうに吐き捨てる。その瞬間、ランボはピシッと硬直した。
「おっかないヤツー!ちんじゃえー!!」
そしてパニックになったまま、モジャモジャ頭から10年バズーカを取り出した。
ドオオオン!
「きゃああっ!」
ランボの放つ10年バズーカは雲雀ではなく幸子にあたり、そのまま彼女を飲み込んだ。