藍に染まる
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黒曜ランド。
かつてはレジャーランドとして人々を楽しませたそこは、一昨年起きた土砂崩れにより閉鎖して、今や誰も近づかない廃墟と化していた。その廃墟こそが骸のアジトであった。
「……遅い」
自室で一人 椅子に座り 長い足を組んだ骸が読んでいた本から顔を上げて壁にかかった時計を見た。
時刻は既に19時を過ぎている。いくらなんでもとっくに委員会など終わっている時間だ。
「僕との約束を破って、どこで油を売っているのでしょう」
怒りにも似たドス黒い感情が骸の中に渦巻いた。その時――‥
「ようやく帰って来たようですね」
骸は本を置くと立ち上がった。その1分後、コンコンとノック音が響き扉が開く。鞄を胸に抱えた幸子が おずおずと顔を覗かせた。
「た、ただいま…」
「おかえりなさい、幸子」
予想外にも骸が笑顔で出迎えてくれた事に安心し、幸子は扉を閉めて骸に駆け寄った。
「遅くなってごめんね。あのね、骸…」
「それで?」
「えっ…?」
思わず聞き返した幸子は、骸を見てごくりと喉を鳴らした。いつもは美しいと感じるオッドアイが、冷たく幸子を見つめていた。
「やだ…骸……なんでそんな怖い顔してるの?」
「質問しているのは僕の方です。言いなさい。こんな遅くまで何処をほっつき歩いていたんですか?」
やっぱり骸は怒っていたのだ。幸子は唇をわなわなと震わせ、鞄をぎゅっと抱きしめた。
「委員会などとっくに終わっているはずですが」
「ク、クロームの所に言ってたの」
「おや、おかしいですね。クロームは自分の所には来てないと言ってましたよ」
「!」
しまった、という顔をしてしまったのだろう。骸は口角を引き上げて 瞳と同じくらい冷たい笑みを浮かべた。
「僕を騙そうとするなど、全くもって悪い子だ」
「ち、違うの骸…!」
「お仕置きが必要ですね」
かつてはレジャーランドとして人々を楽しませたそこは、一昨年起きた土砂崩れにより閉鎖して、今や誰も近づかない廃墟と化していた。その廃墟こそが骸のアジトであった。
「……遅い」
自室で一人 椅子に座り 長い足を組んだ骸が読んでいた本から顔を上げて壁にかかった時計を見た。
時刻は既に19時を過ぎている。いくらなんでもとっくに委員会など終わっている時間だ。
「僕との約束を破って、どこで油を売っているのでしょう」
怒りにも似たドス黒い感情が骸の中に渦巻いた。その時――‥
「ようやく帰って来たようですね」
骸は本を置くと立ち上がった。その1分後、コンコンとノック音が響き扉が開く。鞄を胸に抱えた幸子が おずおずと顔を覗かせた。
「た、ただいま…」
「おかえりなさい、幸子」
予想外にも骸が笑顔で出迎えてくれた事に安心し、幸子は扉を閉めて骸に駆け寄った。
「遅くなってごめんね。あのね、骸…」
「それで?」
「えっ…?」
思わず聞き返した幸子は、骸を見てごくりと喉を鳴らした。いつもは美しいと感じるオッドアイが、冷たく幸子を見つめていた。
「やだ…骸……なんでそんな怖い顔してるの?」
「質問しているのは僕の方です。言いなさい。こんな遅くまで何処をほっつき歩いていたんですか?」
やっぱり骸は怒っていたのだ。幸子は唇をわなわなと震わせ、鞄をぎゅっと抱きしめた。
「委員会などとっくに終わっているはずですが」
「ク、クロームの所に言ってたの」
「おや、おかしいですね。クロームは自分の所には来てないと言ってましたよ」
「!」
しまった、という顔をしてしまったのだろう。骸は口角を引き上げて 瞳と同じくらい冷たい笑みを浮かべた。
「僕を騙そうとするなど、全くもって悪い子だ」
「ち、違うの骸…!」
「お仕置きが必要ですね」