雲の守護者 雲雀恭弥
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キーンコーン
カーンコーン
並中校内に終業のチャイムが鳴り響いた。その瞬間 生徒達は解放感にワッと騒ぎだす。
鞄に教科書を詰めながら、幸子は放課後の予定を頭に思い浮かべる。
(今日は委員会はないし、そのまま応接室に直行できそうだな♪)
考えながら、ついウキウキしてしまうのは、これからの時間を大好きな恋人と過ごせるから。
パチンと鞄を閉めた幸子は何気なく隣の席を見た。主のいないその席は、幸子の目にどこか寂しそうに映った。
(木場谷君…)
あの日…雲の守護者選任日以来、誰も木場谷の名前を口にしなくなっていた。
しばらく机を見つめていた幸子であったが、ハッと我に返ったように立ち上がると教室を出た。
―――――‥‥
応接室では執務机に着いた雲雀が風紀の仕事をこなしていた。
「うるさいな」
いつもはしんと静まり返る廊下が今日はやけに騒がしい。
段々と近づいて来た きゃあきゃあという女子の声がふいに止んだと思えば、コンコン、と響くノック音。
「いるよ」
短く応える。
室内に現れたのは――‥
「市邑清」
週明けの月曜。
"木場谷氷里"は転校し、入れ違いに転入してきた"市邑清"が晴れて並中生となったのだ。
「君、また群れていたようだね」
「群れていたっていうか…彼女達が勝手について来ちゃったんだ」
不可抗力だよ、と市邑が困ったように笑う。
そう。並中では今、木場谷ブームが去り、代わりに市邑ブームが到来していた。
「君に逢いに来たんだと分かったら、急にみんな蜘蛛の子を散らすようにいなくなったけどね」
さすが風紀委員長…と市邑が愉快そうに言えば、雲雀はフンと鼻を鳴らした。
「ところで君、なにしに来たの?」
「生徒会執行部副会長として風紀委員長に逢いに来たんだよ」
「用件はなに?」
「風紀委員会の予算について話に来たんだけど…雲雀君は素直に聞いてくれそうもないよね」
「聞かせてみれば?」
「うん、やっぱりそれしかないかな」
「恭弥! 市邑君! 待って待って!!!」
ガラガラガラッ
けたたましい音をたてて扉を開いた幸子が、2人に向けて叫んだ。
「幸子」
「木梨さん」
2人が同時に幸子を振り返る。
「大丈夫。何もないよ。話に来ただけだ」
「話に来ただけなのに、なんで2人共楽しそうに武器を構えてるのっ!!?」
にこやかに言う市邑に幸子がわたわたとツッコミを入れた。
油断も隙もないというか、獄寺いわくバトルマニアな雲雀だけではなく、市邑までも楽しそうに武器を取り出しているのが何とも。
案外2人は似た者同士なんじゃないかと幸子は思う。
『ヒバリ ヒバリ』
『セイ』
そこに空から舞い降りた可愛い鳥達が登場する。二羽は各々の主ではなく、幸子の両肩に停まった。
『ユキコ』
「霧夢!私の名前覚えてくれたんだっ」
いい子ちゃん、と純白でふかふかの羽毛を撫でれば、不機嫌そうな声。
「気安く呼ばせるのやめてくれる?」
「ふふ…霧夢にまでヤキモチ妬いているのかい?」
「咬み殺す」
「望むところだ」
「ちょ…2人共っ、やめてやめて!!」
風紀委員長と対等に渡り合う並中生には稀なタイプの生徒会執行部副会長の存在は、学校生活を更に楽しいものに変えるだろう。
そう思えば、日常のこんな刺激さえ悪くない。
並盛中学校は今日も平和である。
カーンコーン
並中校内に終業のチャイムが鳴り響いた。その瞬間 生徒達は解放感にワッと騒ぎだす。
鞄に教科書を詰めながら、幸子は放課後の予定を頭に思い浮かべる。
(今日は委員会はないし、そのまま応接室に直行できそうだな♪)
考えながら、ついウキウキしてしまうのは、これからの時間を大好きな恋人と過ごせるから。
パチンと鞄を閉めた幸子は何気なく隣の席を見た。主のいないその席は、幸子の目にどこか寂しそうに映った。
(木場谷君…)
あの日…雲の守護者選任日以来、誰も木場谷の名前を口にしなくなっていた。
しばらく机を見つめていた幸子であったが、ハッと我に返ったように立ち上がると教室を出た。
―――――‥‥
応接室では執務机に着いた雲雀が風紀の仕事をこなしていた。
「うるさいな」
いつもはしんと静まり返る廊下が今日はやけに騒がしい。
段々と近づいて来た きゃあきゃあという女子の声がふいに止んだと思えば、コンコン、と響くノック音。
「いるよ」
短く応える。
室内に現れたのは――‥
「市邑清」
週明けの月曜。
"木場谷氷里"は転校し、入れ違いに転入してきた"市邑清"が晴れて並中生となったのだ。
「君、また群れていたようだね」
「群れていたっていうか…彼女達が勝手について来ちゃったんだ」
不可抗力だよ、と市邑が困ったように笑う。
そう。並中では今、木場谷ブームが去り、代わりに市邑ブームが到来していた。
「君に逢いに来たんだと分かったら、急にみんな蜘蛛の子を散らすようにいなくなったけどね」
さすが風紀委員長…と市邑が愉快そうに言えば、雲雀はフンと鼻を鳴らした。
「ところで君、なにしに来たの?」
「生徒会執行部副会長として風紀委員長に逢いに来たんだよ」
「用件はなに?」
「風紀委員会の予算について話に来たんだけど…雲雀君は素直に聞いてくれそうもないよね」
「聞かせてみれば?」
「うん、やっぱりそれしかないかな」
「恭弥! 市邑君! 待って待って!!!」
ガラガラガラッ
けたたましい音をたてて扉を開いた幸子が、2人に向けて叫んだ。
「幸子」
「木梨さん」
2人が同時に幸子を振り返る。
「大丈夫。何もないよ。話に来ただけだ」
「話に来ただけなのに、なんで2人共楽しそうに武器を構えてるのっ!!?」
にこやかに言う市邑に幸子がわたわたとツッコミを入れた。
油断も隙もないというか、獄寺いわくバトルマニアな雲雀だけではなく、市邑までも楽しそうに武器を取り出しているのが何とも。
案外2人は似た者同士なんじゃないかと幸子は思う。
『ヒバリ ヒバリ』
『セイ』
そこに空から舞い降りた可愛い鳥達が登場する。二羽は各々の主ではなく、幸子の両肩に停まった。
『ユキコ』
「霧夢!私の名前覚えてくれたんだっ」
いい子ちゃん、と純白でふかふかの羽毛を撫でれば、不機嫌そうな声。
「気安く呼ばせるのやめてくれる?」
「ふふ…霧夢にまでヤキモチ妬いているのかい?」
「咬み殺す」
「望むところだ」
「ちょ…2人共っ、やめてやめて!!」
風紀委員長と対等に渡り合う並中生には稀なタイプの生徒会執行部副会長の存在は、学校生活を更に楽しいものに変えるだろう。
そう思えば、日常のこんな刺激さえ悪くない。
並盛中学校は今日も平和である。
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