雲の守護者 雲雀恭弥
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一瞬 何が起こったのか誰も理解できなかった。
雲雀が繰り出したトンファーの先…立っていたはずの幸子の姿はそこにはなく――‥
ただ残光が燐のように漂っているだけだった。
「幸子さんが消えちゃったー!!」
「落ち着いて下さい10代目。人間がトンファーで殴打されたくらいで消える訳ありません!」
「そーだぜ ツナ。ん? てコトはもしかして今の幸子先輩って……」
「幻覚…!?」
ごくりと沢田が喉を鳴らした。
突き出していたトンファーを下ろした雲雀がバッと木場谷を振り返る。今度こそ木場谷の表情は動揺を示していた。
「ねえ、君。雲の守護者になりたいなんて嘘でしょ」
「…何の根拠があってそう言いきるのかな?」
僅かな静寂。
「君の属性は"霧"だ」
「!!!」
深い群青の瞳を大きく開く木場谷とは対照的に、さほど表情を変えずに雲雀は続ける。
「壊れた応接室を幸子の目には あたかも壊れていなかったかのように見せかけた事…それに今咬み殺した不愉快な幻覚がその証拠さ」
大きく開かれていた木場谷の目が細められ、口角が引き上がる。
「ふふ…木梨さんの事になると本当に敏感なんだね」
木場谷の持つ水鉄砲を包んでいた紫の炎がフ…と消えさり、次の瞬間静かに藍色の炎を湛えた。
空気が……変わる。
「君の推測通りだよ、雲雀君。俺の属性は霧だ。そして彼女は俺の相棒 霧アヒル(アナトゥラ・ディ・ネッビア)の霧夢(キユ)」
肩にちょこんと停まっている霧夢の喉を撫でる。
「ふうん。これでやっと君の本気が見れるんだね」
「ふふ…そうなるかな」
ニッコリ笑った木場谷から動揺は消えていた。それはまるで、なにかを吹っ切ったような笑顔。
もしかしたら木場谷は、こうなる事を望んでいたのかもしれない。そして雲雀もまた、木場谷の意図を汲むようにトンファーを構える。
「僕は術士が嫌いでね。君を這いつくばらせられると思うとわくわくするよ」
「残念だけど俺は術士じゃないよ。幻術は苦手だ。作り出した幻覚を雲雀君にあっさり見抜かれたのがその証拠だよ」
木場谷は肩を竦めてそう言うと、好戦的なまなざしで雲雀を見た。
「だから…霧の戦士として君に闘いを挑む」
僅かに手を上げた。
「霧夢 形態変化(カンビオ・フォルマ)!!」
パタパタと辿々しい動きで上空を舞っていたキユが、ピヨッと鳴いて水鉄砲に接触した。
カッ!
と水鉄砲が一瞬光り、次の瞬間にはアヒル型の水鉄砲に変化していた。木場谷はそれを構える。
「楽しい夢の世界へようこそ」
雲雀が繰り出したトンファーの先…立っていたはずの幸子の姿はそこにはなく――‥
ただ残光が燐のように漂っているだけだった。
「幸子さんが消えちゃったー!!」
「落ち着いて下さい10代目。人間がトンファーで殴打されたくらいで消える訳ありません!」
「そーだぜ ツナ。ん? てコトはもしかして今の幸子先輩って……」
「幻覚…!?」
ごくりと沢田が喉を鳴らした。
突き出していたトンファーを下ろした雲雀がバッと木場谷を振り返る。今度こそ木場谷の表情は動揺を示していた。
「ねえ、君。雲の守護者になりたいなんて嘘でしょ」
「…何の根拠があってそう言いきるのかな?」
僅かな静寂。
「君の属性は"霧"だ」
「!!!」
深い群青の瞳を大きく開く木場谷とは対照的に、さほど表情を変えずに雲雀は続ける。
「壊れた応接室を幸子の目には あたかも壊れていなかったかのように見せかけた事…それに今咬み殺した不愉快な幻覚がその証拠さ」
大きく開かれていた木場谷の目が細められ、口角が引き上がる。
「ふふ…木梨さんの事になると本当に敏感なんだね」
木場谷の持つ水鉄砲を包んでいた紫の炎がフ…と消えさり、次の瞬間静かに藍色の炎を湛えた。
空気が……変わる。
「君の推測通りだよ、雲雀君。俺の属性は霧だ。そして彼女は俺の相棒 霧アヒル(アナトゥラ・ディ・ネッビア)の霧夢(キユ)」
肩にちょこんと停まっている霧夢の喉を撫でる。
「ふうん。これでやっと君の本気が見れるんだね」
「ふふ…そうなるかな」
ニッコリ笑った木場谷から動揺は消えていた。それはまるで、なにかを吹っ切ったような笑顔。
もしかしたら木場谷は、こうなる事を望んでいたのかもしれない。そして雲雀もまた、木場谷の意図を汲むようにトンファーを構える。
「僕は術士が嫌いでね。君を這いつくばらせられると思うとわくわくするよ」
「残念だけど俺は術士じゃないよ。幻術は苦手だ。作り出した幻覚を雲雀君にあっさり見抜かれたのがその証拠だよ」
木場谷は肩を竦めてそう言うと、好戦的なまなざしで雲雀を見た。
「だから…霧の戦士として君に闘いを挑む」
僅かに手を上げた。
「霧夢 形態変化(カンビオ・フォルマ)!!」
パタパタと辿々しい動きで上空を舞っていたキユが、ピヨッと鳴いて水鉄砲に接触した。
カッ!
と水鉄砲が一瞬光り、次の瞬間にはアヒル型の水鉄砲に変化していた。木場谷はそれを構える。
「楽しい夢の世界へようこそ」