雲の守護者 雲雀恭弥
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早足で教室に戻ると、ちょうど木場谷ファン達が己の机付近から去っていく所だった。
「ふう、危ない危ない。ギリギリセーフ」
「おかえり木梨さん」
一息ついて席に着く幸子を木場谷の爽やかな笑顔が迎えてくれた。
「うん、ただいま。…?」
英語の教科書を用意しながらふと見れば、木場谷はオモチャのダーツを指で弄んでいた。
「それ…?」
「隣のクラスの子から貰ったんだ。これで"俺のハートを射ぬく"らしいよ」
「はは…。木場谷君、お疲れさま」
乾いた笑いと共にそう言うと木場谷は苦笑した。
木場谷自身もファンの女子達のパワーに圧倒されているのだろう。その戸惑いを相手に見せない所が木場谷らしい。
「木場谷君て、付き合ってる人はいるの?」
「ううん。今はいないよ。気になる人はいるけどね」
じっと瞳を見つめられながら告げられて、不謹慎にも頬が熱くなる。
(やだなぁ、もう。私なに赤くなってるんだろ!?)
「そういえば木梨さん、今日はいつもより戻るのが遅かったね」
「あっ、う、うん……っ、色々あって」
「それは雲雀君と仲良くしてたって事かな」
「なっ…!? ち、違うよ」
ぼわりと一気に顔が火を吹いた。首と手をぶんぶんと振って否定する。
「ふふ…そんなに否定したら逆に怪しいんだけどな」
「っ……」
ああ、またまたからかわれてしまった。やはり雲雀と木場谷は同じような性質を持っている。
「鳥がね、いたの」
「鳥?」
「うん、窓から迷い込んで来ちゃって……小さい鳥」
「小さい…鳥?」
話を逸らそうと何気なく振った話題だったが、木場谷は思いの外関心を持ったようだった。
「どんな鳥だったの?」
「えっと…ヒバードを真っ白にしたような可愛らしい鳥で……そうそう、"セイ"って鳴くんだよっ」
「セイ…」
木場谷が自分に言い聞かせるように復唱した。
「もしかしたら、その子の飼い主さんの名前かな」
「…そうかもしれないね」
いつもの笑顔で木場谷が同調してくれた。
―――――‥‥
同時刻 応接室。日誌に目を通していた雲雀だったが、耐えきれないと言わんばかりに眉を潜めて顔を上げた。
『セイ』
視線の先にいたのは――小さな白い鳥。
彼(?)は窓の外に飛び立つでもなく、すっかり応接室に居着いてしまった。
『セイ』
「誰、それ?」
詰問すれば、白い鳥はぴよっと小さく鳴いて小首を傾げる。雲雀の言葉が解っているのか解ってないのか…。
しばし見つめあう雲雀と白い鳥。外からは体育の時間であろう生徒達の賑やかな声が聞こえてきた。
コンコン
その不思議な沈黙を破るように、応接室に響くノック音。
「いるよ」
返事をすれば、顔を覗かせたのは木場谷氷里だった。
「ふう、危ない危ない。ギリギリセーフ」
「おかえり木梨さん」
一息ついて席に着く幸子を木場谷の爽やかな笑顔が迎えてくれた。
「うん、ただいま。…?」
英語の教科書を用意しながらふと見れば、木場谷はオモチャのダーツを指で弄んでいた。
「それ…?」
「隣のクラスの子から貰ったんだ。これで"俺のハートを射ぬく"らしいよ」
「はは…。木場谷君、お疲れさま」
乾いた笑いと共にそう言うと木場谷は苦笑した。
木場谷自身もファンの女子達のパワーに圧倒されているのだろう。その戸惑いを相手に見せない所が木場谷らしい。
「木場谷君て、付き合ってる人はいるの?」
「ううん。今はいないよ。気になる人はいるけどね」
じっと瞳を見つめられながら告げられて、不謹慎にも頬が熱くなる。
(やだなぁ、もう。私なに赤くなってるんだろ!?)
「そういえば木梨さん、今日はいつもより戻るのが遅かったね」
「あっ、う、うん……っ、色々あって」
「それは雲雀君と仲良くしてたって事かな」
「なっ…!? ち、違うよ」
ぼわりと一気に顔が火を吹いた。首と手をぶんぶんと振って否定する。
「ふふ…そんなに否定したら逆に怪しいんだけどな」
「っ……」
ああ、またまたからかわれてしまった。やはり雲雀と木場谷は同じような性質を持っている。
「鳥がね、いたの」
「鳥?」
「うん、窓から迷い込んで来ちゃって……小さい鳥」
「小さい…鳥?」
話を逸らそうと何気なく振った話題だったが、木場谷は思いの外関心を持ったようだった。
「どんな鳥だったの?」
「えっと…ヒバードを真っ白にしたような可愛らしい鳥で……そうそう、"セイ"って鳴くんだよっ」
「セイ…」
木場谷が自分に言い聞かせるように復唱した。
「もしかしたら、その子の飼い主さんの名前かな」
「…そうかもしれないね」
いつもの笑顔で木場谷が同調してくれた。
―――――‥‥
同時刻 応接室。日誌に目を通していた雲雀だったが、耐えきれないと言わんばかりに眉を潜めて顔を上げた。
『セイ』
視線の先にいたのは――小さな白い鳥。
彼(?)は窓の外に飛び立つでもなく、すっかり応接室に居着いてしまった。
『セイ』
「誰、それ?」
詰問すれば、白い鳥はぴよっと小さく鳴いて小首を傾げる。雲雀の言葉が解っているのか解ってないのか…。
しばし見つめあう雲雀と白い鳥。外からは体育の時間であろう生徒達の賑やかな声が聞こえてきた。
コンコン
その不思議な沈黙を破るように、応接室に響くノック音。
「いるよ」
返事をすれば、顔を覗かせたのは木場谷氷里だった。