雲の守護者 雲雀恭弥
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コツコツと廊下を歩きながら、雲雀はリボーンの言葉を思い出していた。
木場谷氷里が雲の守護者候補であるなんて、
そんなことは分かっていたさ。赤ん坊に言われずともね。
『俺が欲しいのは……ボンゴレ10代目 雲の守護者の称号だよ』
昨日 木場谷が応接室に現れたのは、己に対する宣戦布告。
木場谷は本気で狙っているのだ。雲の守護者と…そして幸子を。
「恭弥?」
「!」
ふいに名前を呼ばれ、思考を止めた雲雀が声のする方を見ると、そこには教科書とリコーダーを胸に抱えた幸子と…そして木場谷が立っていた。
「やっぱり恭弥だ。珍しいね、こんな――」
「なにしてんの?」
「えっ…?」
最初は嬉しそうな顔をしていた幸子であったが、雲雀の表情がいつになく険しい事に気づき、顔を強張らせた。
「な、なにって…音楽室から教室に戻る途中で」
「誰かと一緒じゃないと教室に戻る事も出来ないほど方向音痴なのかい?君は」
「なっ…!?」
雲雀は何を言いだすんだろう。なぜそんな意地悪を?
「なんでそんな責めるような言い方するの…?」
「……」
幸子の悲しそうな瞳に、雲雀は黙ったまま視線を逸らした。
なぜ…?理由など解りきっている。
「雲雀君は 君が俺と一緒にいるのが気に入らないだけだよ。木梨さんを責めてる訳じゃないんだ」
「うるさいよ、君」
雲雀と幸子の間に割り入り、あまつさえ己の心を読んだかのような木場谷のフォロー。雲雀はそれを不愉快だと言わんばかりに切り捨てた。
「恭弥、木場谷君にまでそんな言い方するの…よくないよ」
「幸子。君、その男の肩を持つのかい?」
「違う、そんなんじゃない。私はともかく、関係ない木場谷君を捲き込まないで欲しいだけ」
「捲き込んで来たのはそっちの方だ」
「えっ?」
幸子が聞き返すと雲雀は口をつぐんでしまった。
慌てて木場谷を見ると、彼は困ったような顔で肩をすくめているだけだった。やっぱりおかしい。
「恭弥、私に何か隠してるの…?」
「馬鹿な事言ってないで早く鞄を持って応接室に来なよ」
「!……」
こんなの絶対 雲雀らしくない。
「…か…ない…っ」
「ん?」
「今日は応接室には行かない」
「!……」
「放課後は木場谷君と部活見学をするから」
「そう。好きにすれば」
泣きそうになるのを堪え、真っ直ぐに雲雀を見てそう告げれば、雲雀は表情を変えることなく言い放ち、そのまま立ち去った。
木場谷氷里が雲の守護者候補であるなんて、
そんなことは分かっていたさ。赤ん坊に言われずともね。
『俺が欲しいのは……ボンゴレ10代目 雲の守護者の称号だよ』
昨日 木場谷が応接室に現れたのは、己に対する宣戦布告。
木場谷は本気で狙っているのだ。雲の守護者と…そして幸子を。
「恭弥?」
「!」
ふいに名前を呼ばれ、思考を止めた雲雀が声のする方を見ると、そこには教科書とリコーダーを胸に抱えた幸子と…そして木場谷が立っていた。
「やっぱり恭弥だ。珍しいね、こんな――」
「なにしてんの?」
「えっ…?」
最初は嬉しそうな顔をしていた幸子であったが、雲雀の表情がいつになく険しい事に気づき、顔を強張らせた。
「な、なにって…音楽室から教室に戻る途中で」
「誰かと一緒じゃないと教室に戻る事も出来ないほど方向音痴なのかい?君は」
「なっ…!?」
雲雀は何を言いだすんだろう。なぜそんな意地悪を?
「なんでそんな責めるような言い方するの…?」
「……」
幸子の悲しそうな瞳に、雲雀は黙ったまま視線を逸らした。
なぜ…?理由など解りきっている。
「雲雀君は 君が俺と一緒にいるのが気に入らないだけだよ。木梨さんを責めてる訳じゃないんだ」
「うるさいよ、君」
雲雀と幸子の間に割り入り、あまつさえ己の心を読んだかのような木場谷のフォロー。雲雀はそれを不愉快だと言わんばかりに切り捨てた。
「恭弥、木場谷君にまでそんな言い方するの…よくないよ」
「幸子。君、その男の肩を持つのかい?」
「違う、そんなんじゃない。私はともかく、関係ない木場谷君を捲き込まないで欲しいだけ」
「捲き込んで来たのはそっちの方だ」
「えっ?」
幸子が聞き返すと雲雀は口をつぐんでしまった。
慌てて木場谷を見ると、彼は困ったような顔で肩をすくめているだけだった。やっぱりおかしい。
「恭弥、私に何か隠してるの…?」
「馬鹿な事言ってないで早く鞄を持って応接室に来なよ」
「!……」
こんなの絶対 雲雀らしくない。
「…か…ない…っ」
「ん?」
「今日は応接室には行かない」
「!……」
「放課後は木場谷君と部活見学をするから」
「そう。好きにすれば」
泣きそうになるのを堪え、真っ直ぐに雲雀を見てそう告げれば、雲雀は表情を変えることなく言い放ち、そのまま立ち去った。