2人の雲
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放課後。応接室を訪ねてみると、雲雀の姿はなかった。
「校内の見回りかな?」
幸子はそんな事を思いながらソファーに腰を下ろした。
待とう。直に雲雀も戻るはずだ。
今日は朝から一度も雲雀に逢っていない。
またふらりとどこかへ行ってしまったのかとも思ったが、ここに来る途中で何やらガヤガヤと騒ぎながら校庭へ向かう沢田や獄寺、山本、笹川を見かけた。
彼らが並中にいるという事は、雲雀もまだ並中にいるという事だろう。そんな根拠のない確信があった。
案の定、10分程経った頃に雲雀が応接室に現れる。
「いたの」
「あっ、恭弥!」
幸子はホッと安堵しながら雲雀の許に小走りに近づいていった。なんだかいつも以上にそっけなく感じる。機嫌はあまりよろしくないようで。
「ん…?」
「恭弥に逢いたかった…。逢えて嬉しい」
「!」
あまりにもストレートな発言に、雲雀は面喰らったように目を丸くして幸子を見つめた。
思ってもいなかった言葉だったようだ。しかし雲雀の機嫌はだいぶよくなったらしい。
「幸子」
雲雀は彼女の腰に手を回すとそのまま抱き寄せた。その行為に、昨夜夢で逢った十年後の雲雀の姿が重なる。
「っ、恭弥…」
雲雀の細く長い指が幸子の顎を捕らえた。
キスされる…と瞬時に悟り幸子は目を閉じた。2人の隙間が0になる寸前――‥
バンッ
と音をたてて応接室のドアが開いた。
「校内の見回りかな?」
幸子はそんな事を思いながらソファーに腰を下ろした。
待とう。直に雲雀も戻るはずだ。
今日は朝から一度も雲雀に逢っていない。
またふらりとどこかへ行ってしまったのかとも思ったが、ここに来る途中で何やらガヤガヤと騒ぎながら校庭へ向かう沢田や獄寺、山本、笹川を見かけた。
彼らが並中にいるという事は、雲雀もまだ並中にいるという事だろう。そんな根拠のない確信があった。
案の定、10分程経った頃に雲雀が応接室に現れる。
「いたの」
「あっ、恭弥!」
幸子はホッと安堵しながら雲雀の許に小走りに近づいていった。なんだかいつも以上にそっけなく感じる。機嫌はあまりよろしくないようで。
「ん…?」
「恭弥に逢いたかった…。逢えて嬉しい」
「!」
あまりにもストレートな発言に、雲雀は面喰らったように目を丸くして幸子を見つめた。
思ってもいなかった言葉だったようだ。しかし雲雀の機嫌はだいぶよくなったらしい。
「幸子」
雲雀は彼女の腰に手を回すとそのまま抱き寄せた。その行為に、昨夜夢で逢った十年後の雲雀の姿が重なる。
「っ、恭弥…」
雲雀の細く長い指が幸子の顎を捕らえた。
キスされる…と瞬時に悟り幸子は目を閉じた。2人の隙間が0になる寸前――‥
バンッ
と音をたてて応接室のドアが開いた。